「説明をすると会場の空気が少し変わった」園運営に欠かせない“存在”も問われる安全管理…通園バス運行で模索続く私立幼稚園の現場

9月5日に起きた静岡県牧之原市の園児置き去り事件を受けて、通園バスの安全管理が問われています。幅広い地域から園児が通う私立幼稚園では通園バスの存在が欠かせず、模索が続いています。

静岡市葵区の麻機幼稚園では、園児の6割が通園バスを利用しています。

<麻機幼稚園 高橋明人園長>

「入園児の数が年々減っている。少子化の影響で、園としてはたくさんの子どもに来て欲しい。その中で、広域に募集をするのが大きな要素になっている」

麻機幼稚園では、通園バス4台で7路線を毎日運行。幅広い地域から園児を迎えています。

<麻機幼稚園 高橋明人園長>

「これが全路線の地図。ここに麻機幼稚園がある。こちらの方では竜爪の方。こちらでは、東静岡駅、長沼の方。この辺まで、バスのルートが決まっている。(バスの乗車時間が)長い子になると、交通状況によっては、1時間近く、バスに乗って園に来る子もいる」

新入園児が入る毎年4月にそれぞれの住所に合わせ路線ルートを変えるなど、可能な範囲で対応しています。子どもを預ける保護者も通園バスの必要性を感じています。

この幼稚園では、16日の午前中に行った来年度の入園説明会で、通園バスについて例年よりも時間を掛けて説明したといいます。

<麻機幼稚園 嶋津恵美子さん>

「園バスの説明をした時に、会場の空気が少し変わったのは実体験としてあった。皆さんの関心が高いと感じた」

入園説明会に参加した保護者から集めたアンケートです。参加した保護者の中で、通園バスを利用したいと回答した親が9割、幼稚園を運営していくため、バスは欠かせない存在です。

<麻機幼稚園 嶋津恵美子さん>

「(保護者からは)バスの運行状況がどういった形で運行しているのかあとは安全確認。バスの中に取り残されてしまったというところが大きな問題点だったので、こちらの園では何回も子どもを降ろす時に確認をしてるので大丈夫ですと安心をしていただいた」

安全管理が問題視される通園バスですが、二度と今回のような悲惨な事件を起こさないよう気を引き締めていました。

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