台風14号接近 長崎県内観光地は落胆 行事縮小、宿泊キャンセルも

台風14号の接近を前に、「長崎居留地まつり」の期間短縮を知らせる張り紙を掲示する長崎市職員=16日午後3時23分、同市南山手町の大浦天主堂前

 3連休(17~19日)中に長崎県接近が予想される台風14号。秋の行楽シーズンで書き入れ時だけに、県内の観光地は客足への影響に気をもむ。イベント中止や宿泊客の予約キャンセルも出始めている。
 「売り上げは期待できませんね…」。16日午後、長崎市の大浦天主堂近くに構えるカステラ店「清風堂」の今田健介店長(47)は諦め顔で語った。昨年9月の大型連休は新型コロナ禍で休業。今秋は「本調子ではない」ながらも客は増え始め、2週連続の3連休に期待していた。台風のルートや強さを見極めながら「来てくれるお客さんにはできるだけ対応したい」。
 大浦天主堂がある南山手町など一帯で計画されている「長崎居留地まつり」は17日だけ予定通り実施し、18日はユーチューブで行事のオンライン配信のみ。19日は中止する。実行委員会の市職員が16日、期間短縮などを知らせる張り紙を、会場周辺の20カ所余りに急きょ掲示した。
 影響は宿泊予約が集中している温泉街にも。雲仙市の小浜温泉街の伊勢屋旅館(客室24室)は16~18日が満館だったが、16日午後3時時点で17日の予約が5割、18日は7割が取り消しに。草野春奈おかみ(37)は「3連休に当たるのは厳しい。熊本からフェリーを利用するお客さまも多く、公共交通機関が止まれば、ぱたっと宿泊がなくなる」と肩を落とす。九商フェリーは17、18両日、島原と熊本を結ぶ全便を欠航する。
 諫早市中心部で17日、3年ぶりに開かれる「のんのこ諫早まつり」について、主催の同まつり振興会は最終日18日の中止を決定。18日に予定していた一部のプログラムは初日に前倒しして実施する。
 JR九州は17日の夜、一部運休・減便し、18日は特急、普通ともに始発から終日運転を見合わせる。18、19両日に予定していた西九州新幹線の一般向け試乗会は中止する。


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