悲願「三度目の正直」 男女格差是正、推進に期待 G7閣僚会合、日光開催

G7閣僚会合の会場に想定されているリッツ・カールトン日光=日光市中宮祠

 「三度目の正直」-。先進7カ国(G7)による男女共同参画・女性活躍担当相会合の日光市開催が決まった16日、福田富一(ふくだとみかず)知事はかみしめるように喜びを語った。本県は主要国際会議の誘致に過去2度失敗しており、福田知事は「来年は栃木県が誕生して150年。節目の年に開催されることは大変意義深い」と強調した。会合を機に、男女の格差是正の動きが広がることにも期待を寄せた。

 栃木県は横浜市で首脳会議があった2010年のアジア太平洋経済協力会議(APEC)の閣僚会合の開催地に那須町を、16年の伊勢志摩サミット閣僚会合でも同町と宇都宮市を提案したが、いずれも選定から外れた。

 記者会見で、福田知事は今回の誘致成功について「国際会議ができるホテルの整備が要因になった」と述べ、中禅寺湖畔に20年開業した「ザ・リッツ・カールトン日光」の存在が決め手になったとの見方を示した。

 誘致では外務か環境の閣僚会合を要望していたが、男女共同参画・女性活躍に決定。15日に内示があった際、「ジェンダーギャップ(男女格差)は世界的な問題で重要な会議」との説明があったという。

 世界経済フォーラムが発表した2022年版の「ジェンダー・ギャップ報告」で、男女平等の達成度順位は146カ国中116位。福田知事は「『日光宣言』が発せられるかは分からないが、日本のジェンダーギャップ指数が改善し、先進国と肩を並べる転機としたい」と力を込めた。

 本県の格差是正についても福田知事は「推進力にする」と述べ、粉川昭一(こなかわしょういち)日光市長も「人口減少が加速する市として女性が活躍できる街づくりは重要だ」と意欲を示した。

 今後は会合の開催時期が焦点となるほか、渋滞対策や要人警護態勢の構築などに取り組む必要がある。福田知事は「オールとちぎ体制で受け入れ準備を進めたい」と述べた。

© 株式会社下野新聞社