「放生祭」に3年ぶりにぎわい…福井県小浜市で開幕 山車巡行、太鼓や笛の音響く

八幡神社前に集結する酒井区の山車と清滝区の山車(奥)=9月17日、福井県小浜市男山

 福井県無形民俗文化財に指定されている「放生祭(ほうぜまつり)」が9月17日、福井県小浜市中心部の小浜地区で開幕した。新型コロナウイルスの影響で3年ぶりに出し物が地区内を巡行し、太鼓や笛、かねの音が響き、にぎやかな雰囲気に包まれた。

 放生祭は同市男山の八幡神社の例大祭で、300年以上の歴史を持つ。京都の祇園祭に由来するとされ、疫病を退散させる願いも込めている。同地区の24区が半数ずつ隔年で出番を務め、山車、大太鼓、神楽、獅子、神輿(みこし)を披露する。今年は新型コロナが収まらず辞退が相次ぎ、山車の清滝、酒井区と大太鼓の大宮区の3区のみの巡行となった。

 同神社で午前10時に神事が営まれ、3区はそれぞれ各区の本陣を巡った。清滝、酒井区は、区の紋入りの垂れ幕などで豪華に飾られた高さ約5メートルの山車に子どもたちが乗り込み、囃子(はやし)方が太鼓や笛を披露。大宮区は直径約90センチの大太鼓とかねの大音響に合わせて3人一組の棒振りが力強い立ち回りを見せ、観客は惜しみない拍手を送った。

 同地区出身で関西から見物に帰ってきた60代女性は「久しぶりに放生祭の音が聞けてうれしい。コロナを吹き飛ばしてほしい」と話した。

 最終日の18日は、午後1時ごろ市まちの駅・旭座周辺を3区が巡行する予定。

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