水島臨鉄 通常見られぬ眺め堪能 「全線制覇の旅」貴重車両見学も

一般の乗客が立ち入れない倉敷貨物ターミナル駅で、キハ205を見学する鉄道ファンたち

 倉敷市中心部と水島地区を結ぶ水島臨海鉄道で18日、一般客が立ち入れない駅を列車で訪れる特別ツアー「全線制覇の旅」が開かれた。県内外から鉄道ファン約60人が集まり、通常見ることのできない眺めを堪能した。

 訪れたのは、貨物列車などが乗り入れる水島本線倉敷貨物ターミナル駅と、水島駅から分岐する港東線東水島駅。参加者は倉敷市駅で、旧国鉄末期製造の「キハ37」と「キハ38」を連結した専用車両に乗車した。水島駅から港東線に入ると、車窓に顔を近づけて工場が立ち並ぶ景観を満喫し、東水島駅では整然と並ぶコンテナを車内から眺めた。

 その後、倉敷貨物ターミナル駅で降車し、クラウドファンディングを活用して修復された旧国鉄ディーゼル気動車「キハ205」(1960年製)を見学。鉄道ファンは塗り直した車体の外観だけでなく、灰皿や栓抜きなど車内に残る装備品にも注目し、熱心にカメラを向けていた。

 同市立連島南小5年の男子児童(11)は「未知の空間に行くことができて、いい思い出になった」と笑顔で話していた。

 ツアーは同市が水島臨鉄に委託して実施。12月までに計5回を予定するが、全て定員に達している。

キハ205の車内を見学する参加者

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