千代勝正「ミシュランのウエットタイヤで順位を上げられた」思わぬ展開に高星明誠は緊張も【第6戦GT500決勝会見】

 スポーツランドSUGOで開催された2022スーパーGT第6戦『SUGO GT 300km RACE』。9月18日の午後に行われた決勝レースを終え、GT500クラスで優勝を飾ったCRAFTSPORTS MOTUL Zの千代勝正と高星明誠が決勝日を振り返り、次戦への展望を語った。

千代勝正/第1スティント担当

「レース前に想像していた展開とは全く変わってしまい、僕が55周まで走行したのですけど、本当はミツ(高星)のほうがもう少し長く乗る予定でした。ドライだった場合、僕はもう少し早めに交代する予定だったのですけど、状況が刻々と変化するなか、本当に今回の魔物は天候だったなと思います」

「ウエットタイヤに交換するタイミングは、1周少し上位勢に比べたら判断が遅れてしまい23号車にギャップを作られてしまいました。ですが、その後は僕たちが選んだタイヤが結構路面にマッチしていて、あとはミシュランのウエットタイヤが本当に素晴らしかったです。その部分で本当にアドバンテージがあったのでコース上でも順位を上げることができ、同じニスモ同士の戦いという場に持ち込むことができました」

「途中少し雨が増えたとき、僕らは少しペースが厳しく、そのときに23号車に対して離されたくなかったので『タイヤを変えたい』というリクエストを出したのですが、ピットの島田(次郎)監督と根岸(圭輔)エンジニアが冷静に判断してくれ最後までステイアウトすることを選びました。その後は結果的に雨が止んで今度はドライになっていったので、その判断は本当に正しかったですし、その判断のおかげで後半のミツにトップでバトンで渡すことができました」

「ミツも後半の難しいなかで、しっかりそのバトンをゴールまで運んでくれたので、チームとしても素晴らしい仕事をしていただいたおかげで優勝することができましたし、あとはミシュランタイヤが今回のレースを作ってくれたと思います」

「もちろんニッサンZの初年度で、タイトル獲らないといけないという責任感もありますけど、このSUGOは正直苦しい展開で、トップとの点差を少しでも詰めて次戦のオートポリスへという風に考えていたのですが、まさか逆転するとは思っていませんでした。そのあたりは少し予想外なのですが、勝てるときに勝たないといけないので、次戦がどんな展開になっても自分たちがいいレースをできるように準備したいと思います」

「次戦の九州は僕もいろいろとゆかりがありますし、オートポリスも好きなコースなのでランキングトップで行くことができることは本当に嬉しいです。この後もミツと一緒に一戦一戦しっかりと良いレースをしていくだけだと思っています」

2022スーパーGT第6戦SUGO 千代勝正(CRAFTSPORTS MOTUL Z)

高星明誠/第2スティント担当

「正直レースが始まる前はトップでバトンを受け継ぐことになるとは思っておらず、予想していたシチュエーションではなかったので逆に緊張してしまい『マジかよ』という感じでした(苦笑)。ですが、そこまでの千代さんの走りだったり、チームの作戦でいい順位を走っていたので、僕の走りでそれを崩してはいけないという思いでスティントに行きました」

「ピットアウト後はまだ路面が濡れている状況だったのですけど、ミシュランタイヤのウォームアップもすごく良かったです。少し雨が降り続いてるなかでもペースは良かったので、30秒くらいのマージンを築くことができたのは本当にミシュランタイヤのパフォーマンスが良かったので本当に感謝しています」

「その後は雨量も多くなり、もっと攻めようと思えば攻めることはできましたが、少しのミスが命取りになるという状況だったので、周りとのギャップを見ながらペースを落とすことができました。そういった展開に持ち込めたことが優勝できた要因だと思っています」

「このSUGOに来るまではランキングトップだった12号車カルソニック IMPUL Zとポイント差があり、その差を縮めたいという思いでサーキットに来ました。千代さんも言いましたがまさか逆転するとは思っていませんでした。ランキングで逆転してしまったからには『ちょっと意識しちゃうな……』とは正直思っています。ポイント的にも次戦は燃料リストリクターが入ってしまうと思うので、それがどういった影響になるかは走ってみないとわかりません。オートポリスはテストをしていないのでみんなが手探りだと思いますが、そのなかで運も味方につけて良いセットアップやタイヤを持ち込みたいと思っています。ここまで来たからには、オートポリスでも勝てるようにチームと準備していきたいと思います」

「正直ポイントランキングはあまり意識したくないという思いはありますが、みなさんからのプレッシャーがすごいので意識せざるを得ません。そのプレッシャーも楽しみながら次戦に挑みたいと思っていますし、ここまで来たからにはオートポリスでも結果を残し、欲を言えばオートポリスでチャンピオンを決めたいという思いもあります。本当に『オートポリスも獲るぞ!』という気持ちで次戦に挑んでいきたいと思います」

2022スーパーGT第6戦SUGO 高星明誠(CRAFTSPORTS MOTUL Z)
2022スーパーGT第6戦SUGO 決勝後会見に出席した加藤寛規/堤優威/千代勝正/高星明誠

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