バニャイアを抑え優勝のバスティアニーニ「落ち着いてギャップを詰めた」/MotoGP第15戦アラゴンGP決勝トップ3コメント

 MotoGP第15戦アラゴンGPの決勝レースがスペインのモーターランド・アラゴンで行われ、MotoGPクラスで優勝したエネア・バスティアニーニ(グレシーニ・レーシングMotoGP)、2位のフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)、3位のアレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)が会見に出席。レースを振り返った。

■エネア・バスティアニーニ(グレシーニ・レーシングMotoGP)/決勝:優勝

「ミサノのようにいいレース、いいバトルだった。レース序盤は厳しかった。アレイシ(・エスパルガロ)が僕をかわしたとき、ちょっとはらんでしまっていくつかポジションを落としてしまった」

「9周目、僕はトップに立ったけど、10コーナーでミスをしてアウト側に行ってしまった。だけど、『落ち着いてペッコ(フランセスコ・バニャイア)とのギャップを詰めていこう』と思ったんだ。ミサノのように速く走れていると感じていたからね。彼もミサノのようにミスをしていなかったけど、最終ラップでさらに接近したんだ」

「(最終ラップは)どこでオーバーテイクできるかはわからなかった。でも5コーナーでペッコに接近して、7コーナーでオーバーテイクにトライするときだと思ったんだ。このレースでは僕はとても強かったと思う」

「ペッコもほかのドゥカティライダーもとても速い。ペッコは僕のように強いところを持っている。僕たちは同じバイクを走らせている。彼をオーバーテイクすることは常に、とても難しいんだ。でも今回は僕が勝ったね」

■フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)/決勝:2位

「今日はミスをしないことがとても重要だった。ファビオ(・クアルタラロ)にアンラッキーがあって(転倒リタイアとなり)、ポイントをたくさん詰めるチャンスだと思ったからね」

「最終ラップではレースをフィニッシュすることがとても大事だった。エネアがかなり接近しているのを見て感じたとき、リラックスして落ち着こうとしたんだ。そして、もし彼が僕をオーバーテイクしても、危険は冒したくないと思った。できるだけ最高の形でレースを終えたいと思ったんだ」

「もしちょっとしたミスなどがあればトップを奪い返そうとしただろうけど、最終ラップで彼はミスをしなかった。この結果には満足だよ。全力を尽くしたし、今日はほかのライダーとは大きく異なることをしたと思う」

「僕たち(ドゥカティライダーは)8人いて、日々さらに高いレベルを目指している。一歩一歩、ともに成長しているんだ。そしてより速くなっている。エネアは僕みたいにレースで勝つ、上位にいるというモチベーションを持っている。僕たちはお互いにプッシュしあっているんだ。彼が速いなら、僕も速くなれるとわかるからね。それはある意味でモチベーションになるんだ。自分たちをさらに向上させるために、僕たちはそれを利用しないといけないんだ」

「(チャンピオンシップについては、ランキングトップのクアルタラロと5~10ポイント差になったら考えるとミサノで言及していたことについて)もちろん今はさらにクリアだ。10ポイント差というのは、シーズン序盤から比べたら接近している。もちろん、チャンピオンシップについて考えていくよ。でも、考えすぎない。自分の仕事について考えていく」

「日本GPは楽じゃないと思う。バイクをテストしたり改善したりする時間はほとんどないから、土曜日だけじゃなく慌ただしくなるだろう。僕たちのバイクは、ほかのバイクよりも準備に時間がかかるからなんだ。いつもやっているように取り組み、これまでのようにレースをフィニッシュしたいと思っている」

■アレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)/決勝:3位

「アラゴンにやってくるまではとても厳しいレースが続いていた。チャンピオンシップ終盤戦の中でもここはベストなサーキットだとわかっていたから、走り出しはちょっと熱くなったのかもしれない。金曜日に2度も転倒してしまった。すっかり自信をなくしてしまったよ」

「土曜日はとてもタフな日で、フリー走行3回目ではトップ10以内に入れなかった。だからフリー走行3回目からまた、自信を上げていったんだ。そして予選4番手を獲得した。レースでも、エネアやペッコについていくだけのペースはなかった。それはわかっていたんだ。でも、3位になれたことはチャンピオンシップにとってすごくいい結果だよね。それに、表彰台に戻ってこられてうれしいよ」

「(3位を争った)ブラッド(・ビンダー)はグリッド上でもベストライダーの一人だ。間違いなく今年はベストバイクで走っているわけじゃないのに、彼はいつも強いし、常にバイクの最高のパフォーマンスを引き出すんだ。レース序盤は彼をオーバーテイクするのが難しかった。彼はエネアを追っていたけど、すごかったよ。だから僕は落ち着いて後ろを走り、タイヤのグリップが落ちるのを待った」

「そして最終ラップ、タイヤのパフォーマンスが落ち始めたのを見て、オーバーテイクしようと思ったんだ。同時に、ファビオがリタイアしたこともわかっていたから、ミスはできない。というわけで、レース後半では僕は少しリラックスした。3位はいいボーナスだと思うよ」

「(バスティアニーニとバニャイアが)やっていること、達成していることは容易なことじゃない。一つのことだけじゃないんだ。つまり、彼らはベストバイクを持っているだけじゃないということだ。ペッコもエネアも、非常に高いレベルで走っている。彼らのキャリアの中でも最高のレベルと言ってもいいんじゃないかな」

「それにとても強いバイクがあり、多くの情報を持つ非常に強いチームがいる。これがMotoGPなんだ。ドゥカティ、ペッコ、エネアはすごいことをしている。でも僕たちもいい仕事をしているよ。ペッコとは7ポイント差。アプリリアはすごくいい仕事をしているってことなんだ。すごく誇りに思うし、うれしいよ」

「(今後のタイトル争いについて)僕は信念を失わない。最も厳しい週末となったシルバーストンやオーストリアでさえ、ずっと信じていた。クラッシュせずに15位、10位でもなく終えようと。でも僕は、とても難しいレースをトップ6で終えている。こうしたことがチャンピオンシップで自分を誇りに思うところなんだ」

「今僕は約200ポイント(※アラゴンGP終了時点で194ポイント)を獲得している。これは、よくないときでもいい結果を出せたからだ。だから今は、ただ楽しもうと思う。次のレースでも同じようなレースをしようと思う。簡単なことじゃないのはわかってる。ヨーロッパから離れて全く違うサーキットに行くわけだし、彼ら(バスティアニーニとバニャイア)はとても強い。でも、やってみるよ」

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