台風14号 3人けが、家屋に被害 県内各地で停電、経済活動影響も

午後3時で閉店した天満屋岡山店=19日午後3時5分、岡山市北区表町

 19日夕方から夜にかけて岡山へ最接近した台風14号の影響で、岡山県内でもけが人や家屋被害が生じたほか、各地で大規模な停電が発生。休業や営業時間の切り上げに踏み切る商業施設も多く見られた。

■人的被害

 県内では3人のけが人が出た。

 19日午前9時25分ごろ、瀬戸内市邑久町尻海で、80代女性が強風にあおられて転倒した。女性は左脚骨折の疑いで救急搬送された。

 同日午後1時25分には備前市三石で、自宅シャッターを修理していた60代男性が風でよろけて脚立から落ち、頭に軽いけがした。同市では午前中、強い風で店舗の看板が落下し、人が軽傷を負う事案もあった。

■建物被害

 県内での建物被害は公共施設や民家など7件が確認された。いずれも風の影響とみられ、けが人はいなかった。

 浅口市寄島町の三ツ山スポーツ公園ではグラウンドを覆う屋根が一部破損した。矢掛町では風で倒れた木が民家2階の屋根を壊したほか、同町内の別の民家では壁がはがれる被害が確認された。

 岡山市では北区佐山で空き家の塀が倒壊し、東区北幸田では倉庫が半壊した。北区下牧ではのり面の木が納屋の屋根に倒れ、一部損壊。持ち主の男性(87)は「もう少しずれていたら車や家に倒れていた」と不安そうな様子だった。

■道路

 県管理の一般道は計7カ所が通行できなくなった。

 岡山ブルーラインの備前市蕃山―岡山市東区君津間は、風速が規制値を超えた「事前通行規制」で18日午後10時から、鷲羽山公園線の倉敷市菰池―同市児島宇野津間は、災害発生の恐れがあるとして19日正午からそれぞれ全面通行禁止となった。

 このほか、下原船穂線の倉敷市真備町川辺―同市船穂町柳井原間、藤原吉井線の赤磐市河原屋―同市周匝間などが倒木のため規制された。

■店舗・企業

 企業の経済活動にも影響が及び、金融機関が一部地域でATMを臨時休業。商業施設では閉店時間を早めるなどの動きが見られた。

 中国銀行(岡山市北区丸の内)は大雨や高潮による浸水を未然に防ぐため、和気(和気町福富)、牛窓(瀬戸内市牛窓町牛窓)、田ノ口(倉敷市児島田の口)、宇野(玉野市宇野)、笠岡(笠岡市六番町)など9支店のATMを終日休業した。

 商業施設では天満屋(岡山市北区表町)が岡山、倉敷、津山市の3店の営業を午後3時で切り上げた。岡山高島屋(岡山市北区本町)は同4時で閉店。イオンモール(千葉市)は岡山、倉敷市のモールの専門店を同4時で閉めた。

 このほか県内では、飲食店などで早めに閉店したり、休業したりする動きが相次いだ。

■停電

 中国電力岡山支社によると、19日午後8時現在、県内では復旧分を含めて延べ約3万3780戸が停電した。岡山、津山市など広範囲に影響が及び、備前、総社市などの約210戸で復旧していない。

 強風による倒木や飛来物などで高圧線が断線したことが主な原因。電柱が折れた箇所もあったという。

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