マルケス、クアルタラロ、中上が語るオープニングラップの波乱劇/第15戦アラゴンGP

 9月18日、スペインのモーターランド・アラゴンで行われた2022年MotoGP第15戦アラゴンGP MotoGPクラス決勝のオープニングラップで、リタイアで終えた3人のライダーがレース後に転倒を振り返った。

 ドライコンディションでスタートした決勝のオープニングラップで、3コーナーではマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)とファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)が接触し、クアルタラロが転倒。さらに7コーナーではマルケスをオーバーテイクしようとした中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)が転倒を喫し、その後マルケスはリタイアで終えるという波乱な展開となった。

オープニングラップの様子/2022MotoGP第15戦アラゴンGP

 13番手スタートのマルケスは、レース後に「ライトが消えたときに本能が働いて、とてもいいスタートを切ることができ、トップ5を視野にバトルができた」と語るほどに抜群のスタートを切った。しかし、3コーナーでマルケスのマシンのリヤがスライドした際に、後ろを走る6番手スタートのクアルタラロがマルケスに追突して転倒を喫した。まず、マルケスその時の状況を次のように語った。

「3コーナーでリヤが少し流れたので、アクセルを戻した。問題はファビオがそのとき、すぐ後ろにいたことだった。レース序盤は接近しているのが普通で、マシンを切り返したときに、不運なことにファビオと接触してしまったんだ。そこからすべてが始まったんだ」

 一方、クアルタラロは「ライダー同士のバトルがあったなかで、何台かはリヤを振られ、何台かはラインを外し、僕はマルケスに追突してしまったんだ。マルケスがコーナーの途中でラインを変えることを、予想していなかった。でも特別なことは何も起こっていない。彼が危なくなり、僕は良いトラクションがあり、非常に接近していたんだ」と語った。

マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)とファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)/2022MotoGP第15戦アラゴンGP

 その後クアルタラロはピットに戻ろうとした際、スクーターでさらに2度目の転倒を喫していた。幸い大きな怪我はなく、レース中に転倒した際の胸の擦り傷のみだった。クアルタラロはレース後に次のように振り返り、次戦の日本GPに向けての意気込みも語った。

「僕を乗せてくれたマーシャルのスクーターが他のスクーターに正面から衝突したから、2度目の転倒となってしまった。ヘルメットを脱いでいなかったのは幸運だったけど、マーシャルは苦しんだと思う。2分の間に2度も転んでしまい、今日は僕の日ではなかった。しばらくは仰向けに寝ようと思っている」とクアルタラロ。

「でも日本GPには必ず出場するよ! レースを除けば、ポジティブな週末だったし、これから長く訪ねていなかったサーキットに行けることが本当に楽しみ。日本は大好きなサーキットのひとつだから、全力を尽くせるように頑張ろう」

ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)/2022MotoGP第15戦アラゴンGP

 以上がマルケスとクアルタラロの接触の状況だ。マルケスはその後も走行を続けていたがマシンには不具合が生じていた。そして7コーナーでマルケスをオーバーテイクしようとし、はらんでしまった中上にマルケスが接触してしまい、中上は転倒を喫した。その後、ピットに戻ったマルケスだったが、そのままリタイアで終えることとなった。マルケスはレース後に次のように振り返っている。

「5コーナーで奇妙な感覚があり、何が起きているのか分からなかった。7コーナーでは中上が僕をオーバーテイクしてはらんだんだ。そのときリヤデバイスを作動させようとしたらリヤがロックしたように感じ、マシンが左に進んで、タカと接触してしまったんだ」

マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)/2022MotoGP第15戦アラゴンGP

「この接触の後、ピットに戻ってリタイアすることを決めた。僕のせいで彼のレースが終わってしまったので、タカと彼のチームに謝罪しに行った。今日は彼とファビオに謝罪したい」

 一方の中上は転倒を喫した際に、右手薬指と小指を負傷し、すぐにバルセロナ市内の病院に向かった。精密検査を受けた後、右手薬指と小指の腱を負傷していたことから手術を受けた。中上はすでに日本に向かい、準備を行っているが、母国GPとなる第16戦日本GP直前の9月22日にメディカルチェックを受けるという。

中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)/2022MotoGP第15戦アラゴンGP

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