【台風14号】小田原城の史跡で土砂崩落 座間の70代女性が転倒し負傷 総雨量は山北町で364ミリ

土砂が崩れた小峯御鐘ノ台大堀切の現場(小田原市提供)

 台風14号による強風などで、県内では20日、1人が負傷し、住宅1棟が一部破損した。降り始めからの総雨量は山北町で360ミリを超え、小田原市では戦国時代の小田原城を代表する史跡「小峯御鐘ノ台大堀切(こみねおかねのだいおおほりきり)」の一部で土砂が崩れた。

 県などによると、座間市では20日未明、自転車で信号待ちをしていた70代の女性が強風にあおられて転倒し、脚に軽傷を負った。横浜市瀬谷区では住宅の屋根瓦が破損。風雨の強まった同日午前を中心に横須賀市や鎌倉市などで停電が相次ぎ、横浜市や南足柄市などではブロック塀の崩落や崖崩れがあった。

 小田原市城山の小峯御鐘ノ台大堀切では、高さ4.5メートル、幅13メートルにわたって土砂が崩落した。市は「ここまで大規模に史跡が損傷した例はない。修復方法などを文化庁とも協議したい」としている。

 JR御殿場線は国府津─御殿場間で始発から午前11時ごろまで運休。相模湾沿いを走る西湘バイパスの下り線は高波の影響で19日夕から20日午前にかけて一部区間が通行止めとなった。

 気象台によると、総雨量は同日午後6時までに山北町で364.0ミリを記録。箱根町が289.0ミリ、小田原市は209.0ミリ、横浜市中区では172.0ミリだった。最大瞬間風速は午前5時台に藤沢市で22.9メートル、横浜市中区で19.3メートルを観測した。

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