谷口信輝が退院を報告。スーパーGT第7戦オートポリスはドクターの許可待ちも「治ると信じています」

 9月17〜18日にスポーツランドSUGOで開催されたスーパーGT第6戦の決勝日を前に、突如虫垂炎のため緊急入院し、決勝レースを欠場することになってしまったグッドスマイル 初音ミク AMGの谷口信輝が、9月23日に自身のYoutubeチャンネル(https://www.youtube.com/c/NOBチャンネル)でライブ配信を行い、このなかで入院までの経緯と、退院の報告を行った。

 8月27〜28日に行われたスーパーGT第5戦鈴鹿では見事優勝を飾ったグッドスマイル 初音ミク AMGは、第6戦で予選14番手につけ、決勝に向けて追い上げを期していた。しかし金曜から違和感を抱えていたという谷口は予選後、チームメンバーで食事をしている際に激しい腹痛を訴え、その後救急車で仙台市立病院に搬送され、虫垂炎と診断。そのまま入院となってしまった。

 そのためグッドスマイル 初音ミク AMGはレースの3分の2を片岡龍也が走り、そのままレースを終えることになったが、他チームの迷惑にならぬようにとピットスタートを選択。その後スリックで走っていたタイミングでレインを履くGT500車両を抜こうとした際に接触しスピンを喫するシーンもあったが、貴重なテストの機会ととらえ、さまざまなデータを得ていた。

 谷口はその後、自身のブログ内でも退院を報告していたが、改めて9月23日にYoutubeチャンネル内でライブ配信を実施。冒頭、「大変お騒がせとご心配をおかけして申し訳ありません。……無事です」と谷口らしい口調で退院を報告した。ただ、手術の際に喉に挿管していたとのことで声がかすれていたが、のど飴をなめながら配信を続けた。

 谷口は配信内で、スーパーGT第6戦SUGOの搬入日にあたる9月16日の昼ごろから腹部に違和感を抱えていたことを明かした。土曜の公式練習、公式予選の最中は「気を張っていた」が、やはり違和感が続いていたという。ただその後、チームで食事をしていた際に痛みが強くなり、就寝もできない状態に。チームからは通院を勧められ、救急車が手配された。「救急車の中でお腹を触診されたんだけど、右下腹部を押したときにすごく痛くて、『盲腸が怪しい』」と、仙台市立病院に搬送された後、診断を受けた。

 レースのことが頭にあり、なんとか薬で対処できないかと谷口は医師と相談したものの、虫垂炎に加え腹膜炎もあり、「朝には地獄の苦しみのようになって」と手術が決定。ただ手術の結果、膿が出ている状態で、4カ所開腹。「お腹が常に辛い状態」と術後の苦しみに見舞われたという。そんななか「一日中点滴をつけかえてくれたり、抗生剤を差してくれたり」と献身的だった看護師への感謝を述べた。

 その後は日を追うごとに回復していき、9月22日に退院。帰宅し愛犬や家族の歓迎を受けた。しかし、まだ笑ったりと何かの拍子に痛みがあり、「退院してもいいけど、安静にしなければならない状態」だという。

 気になる今後の回復については、「お医者さんは完治ということを考えると、退院後2〜3週間はかかると言っています」と明かした。ただ、9月24〜25日は十勝でのTGR GR86/BRZ Cup、さらに10月1〜2日にはスーパーGT第7戦オートポリスがある。十勝は欠場することになったが、「今週十勝に行けていないことが超ストレス。年間5戦しかない中で、今回が3戦目。チャンピオンを獲るためには大事なレースなので、それに出られないのが痛い。みんなが走っている情報を見るのがストレス」と悔しさを滲ませた。

 しかし「これから一週間辛抱して、とにかくなんとか治して、オートポリスのスーパーGTに行きたいと思っています。間違いなく行きますけど」とスーパーGT第7戦オートポリスには出場したい意向を示した。ただ「とはいえ完全にドクターからOKが出たわけではないので。でも治ると信じています」と出場にはドクターの診断が必要だという。

 動画内では声以外はふだんと変わらない様子をみせていた谷口。ライバルである他ドライバーたちからも心配する声が聞かれており、なんとか回復を願いたいところだが、同時に無理もしてほしくないところだ。

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