荒れる天候で赤旗中断、セッションディレイ……。フルウエットコンディションの中、M.マルケスが3年ぶりにポール奪取/MotoGP第16戦日本GP

 9月24日、MotoGP第16戦日本GPの予選が栃木県のモビリティリゾートもてぎで行われ、MotoGPクラスはマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)が2019年日本GP以来となる、今季初のポールポジションを獲得した。

 また、中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は25番グリッド、長島哲太(HRCチーム)は19番グリッド、津田拓也(チーム・スズキ・エクスター)は21番グリッドから決勝レースを迎える。

 土曜日のモビリティリゾートもてぎは朝から雨が降り、MotoGPクラスのセッションが始まるころは、本降りの雨がコース上に降り注いでいた。コンディションは当然、フルウエット。ただ、気温、路面温度はそこまで低くはなく、気温23度、路面温度23度である。

 こうしたコンディションの中、ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)やアレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)などが、コースイン直後にオーバーランを喫している。ただ、転倒に至ることはなかった。

 順位は序盤から目まぐるしく入れ替わったが、開始20分、マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)がトップに立ち、ホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)が2番手、ジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)が3番手に続く。

 残り時間が12分になったところで、ポル・エスパルガロ(レプソル・ホンダ・チーム)が8コーナーでハイサイド転倒。ポル・エスパルガロは歩いてコースサイドに避難したが、コース上に残ったバイクの撤去作業とコースコンディションの回復のため、セッションは一時中断となった。

 約6分の中断ののち、セッションは再開する。しかしタイムの更新はほとんどなく、1分55秒232を記録したマルク・マルケスがトップのままフリー走行2回目を終えた。2番手のマルティン、3番手のミラーも変わらず。4番手はミゲール・オリベイラ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)、5番手はヨハン・ザルコ(プリマ・プラマック・レーシング)。クアルタラロは10番手だった。

マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)/2022MotoGP第16戦日本GP

 中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は17番手、長島哲太(HRCチーム)は22番手、津田拓也(チーム・スズキ・エクスター)は25番手でセッションを終えた。

 MotoGPクラスのフリー走行3回目前に行われたMoto2クラスの予選の時間帯では、激しい雨に加え雷が鳴り響く非常に厳しいコンディションとなった。こうしたコンディションにより、Moto2クラスのQ2の残り時間が10分を切ったところで、赤旗が提示され、セッションは一時中断となった。

 その後、フリー走行3回目はキャンセルとなり、約1時間40分の中断ののち、15時38分よりMoto2クラスのQ2が残り時間9分37秒で再開された。雨は小康状態となっていたが、コンディションはフルウエットである。

■予選:アラゴンGPで復帰のM.マルケスがポール獲得

 予選は気温23度、路面温度は22度のフルウエットコンディション。Moto2クラスのQ2が再開されたときは弱まっていた雨が、MotoGPクラスの予選が始まる16時ごろになると再び強くなり始め、このためQ1はセッション前にディレイがアナウンスされた。ただ、ディレイはさほど長くなく、16時10分からQ1がスタート。Q1から予選に挑むのは、エネア・バスティアニーニ(グレシーニ・レーシングMotoGP)やアレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)、中上、長島、津田などの面々である。

 まずトップに立ったのはフランコ・モルビデリ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)だったが、その後マルティンが1番手タイムを記録する。さらに残り時間7分を切って、ザルコが2番手に浮上すると、さらに残り時間3分でタイムを更新し、トップに立った。

 Q1トップはザルコ、2番手はマルティンで、プリマ・プラマック・レーシングのふたりがQ2進出を決めた。前戦のウイナーであるバスティアニーニは終盤に5コーナーで転倒を喫し、Q1を突破できずに終わった。また、中上は序盤に14コーナーでクラッシュ。すぐさまピットに戻り、残り時間6分でスペアバイクに乗り換えて再びコースインしたが、15番手でQ1を終えた。この結果、バスティアニーニは15番手、長島は19番手、津田は21番手、そして中上は25番手から明日の決勝レースを迎える。

 続いて行われたQ2でもザルコはトップタイムを記録する。しかしその後、午前中のフリー走行2回目で1番手タイムを記録したマルク・マルケスがザルコのタイムを上回り、トップに浮上した。マルク・マルケスは残り時間3分、再び自己ベストを更新し、トップをキープする。

 マルク・マルケスは終盤に記録した1分55秒214のタイムで、ポールポジションを獲得した。マルク・マルケスにとっても、レプソル・ホンダ・チームにとっても、ホンダにとっても、今季初のポールポジションである。そしてまた、マルク・マルケスにとっては2019年の、まさに日本GP以来のポールポジション獲得となった。

ブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)/2022MotoGP第16戦日本GP

 2番手はザルコ。そして3番手は、最後のアタックでタイムを詰めたブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)が獲得した。ビンダーにとってはMotoGPクラスで初のフロントロウ獲得だ。

 アレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)は6番手、クアルタラロは9番手で、それぞれ2列目、3列目から決勝レースを迎えることとなった。

 MotoGP第16戦日本GPの決勝レースは、9月25日日曜日の午後3時にスタートする。

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