リニューアル中の横浜赤レンガ倉庫 内部の工事現場に〝潜入〟 レンガの損傷確かめる手法は

工事のため休館中の横浜赤レンガ倉庫=22日、横浜市中区

 横浜赤レンガ倉庫(横浜市中区)として親しまれている赤レンガ1号倉庫(通称1号館)と2号倉庫(同2号館)。休館中の現在は、空調設備などの更新工事の真っ最中だ。華やかな演出を支える“縁の下の力持ち”を案内してもらった。

 市港湾局が担当する1号館での工事のメインは約150台あるエアコンの交換。天井に取り付けたエアコンには下地を塗った後、黒で塗装し、天井の色調と一体化した仕上がりにする。

 エアコンには個々の室外機は設置されていない。1号館から約50メートル離れた地下に設置された熱源装置で夏は冷水、冬は温水を作り、配管を使って館内の各エアコンに送り、冷暖房を行っている。

 同局整備推進課は「景観に配慮して取り付けている。エアコンだけではなく、ダクトの設置も限られた狭いスペースで作業しているため、難しい工事となっている」と話す。

 2号館は株式会社横浜赤レンガが担当し、空調設備の更新工事が行われているが、1号館よりも建物が大きくエアコンの設置数は多いという。

 外壁工事は両館ともに昨年度に終了。足場を作って壁の赤レンガを1枚ずつたたき、レンガに損傷がないかを確かめる打音検査を実施した。音が抜けるようなすき間の多い“異常音”があったレンガは、切り込みを入れて1枚ずつ取り出して交換。新しいレンガに取り換える際には墨汁に浸して周辺のレンガと色を合わせ、元の場所に戻した。担当者は「新旧レンガの見分けがつかないぐらい、従来の風合いを大事にしている」と説明する。雨漏りがあった屋根部分はシーリング作業を施した。

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