静岡県の災害派遣要請を受け、自衛隊による給水支援も行われています。清水区三保の東海大学海洋科学博物館に設けられた給水所には、水を受け取りに来た人でたくさんの車が列をなしていました。
清水区の大規模な断水は27日で4日目。いまだ6万3000戸が影響を受けています。
<給水に訪れた人>
「大変。水のありがたさがわかりました」
興津川の取水口の復旧が見通せない中、静岡市は復旧に向けて新たな方法を導入しました。27日午前、静岡市の職員が消火栓を開けて確認していたのは、充水作業の進捗状況です。充水作業とは、断水で空になった水道管に水を満たす作業で、きれいな水を供給するための準備作業です。
<住民>
「普段の水圧の3分の2くらいかな。もうちょっと強くなると普通になるんだけどね」
今回、静岡市は普段は水道水として利用していない県の工業用水1トンと井戸水2トンを融通し、清水区内の一部地域に水を流し始めました。
静岡市は清水区を6つのブロックに分けて充水作業を進めていて、27日は巴川ブロックと興津ブロックのあわせておよそ3万戸で水が出始めています。
<住民>
「おー、出た出た」
「良かった、よかった」
Q.どうですか?
「助かりますよ。命の水だよ。これは大事にしないと」
ただ、この水は飲むことができません。飲み水の供給を第一に考えている静岡市としては、使用は控えてほしいと呼びかけています。
<静岡市水道基盤整備課 定免徹さん>
「水を充水させて水圧が回復した後に供給したい。その過程で水を使うと充水作業に遅れが出るので極力水は使わないで、トイレなどの最低限にしてほしい」
住民はトイレや風呂に使うため、水を貯めたり、これまで出来なかった自宅の掃除のための生活用水として大切に使っていました。
<影島亜美キャスター>
早い地域では9月27日から水が出始めましたが、次に住民が気になるのは、「いつから飲めるか?」だと思います。こちらが飲料水としての提供開始の目安です。
最も早い巴川ブロック、興津ブロックで9月29日から。最も再開が遅れそうな富士見ヶ丘ブロックでは、10月2日から飲料水を提供できる見通しです。静岡市は充水作業が完了したところから水質検査などを行い、改めて飲み水として利用できる状況になったらお知らせするとしています。