病気や事故で親を亡くした遺児らの奨学金を募る学生団体「あしなが学生募金」は1日、JR岡山、倉敷の両駅で街頭活動に取り組んだ。新型コロナウイルスの影響により3年ぶりの実施で、奨学生らが募金に協力を呼びかけた。
岡山駅西口では、あしなが育英会(東京)の奨学金を利用している大学生や高校生ら約50人が参加。募金箱を手に「皆さんの温かい気持ちが遺児の夢をかなえる。未来への一歩を支援してほしい」などと訴えると、駅利用者らが足を止めて善意を寄せた。
募金事務局によると、岡山県内の受給者は127人(高校77人、大学・専門学校50人)。岡山ブロックマネジャーの県立大3年水松結麻さん(21)は16歳の時に父が倒れたが、奨学金を利用して一時は断念した進学を果たせたとし「同じ境遇で将来を悩む後輩に恩送りをしたい。経済苦で夢を諦めなくていいよう、社会に発信していきたい」と話した。
街頭活動は5~12月に全国の駅や商業施設などで行っている募金リレーの一環で、7月までに約1600万円が集まった。同会のホームページでも寄付を受け付けている。