<金口木舌>アスリートの突破術

 プロ野球の西武で活躍する與座海人投手を初めて見たのは10年前の高校野球秋季県大会だった。沖縄尚学の控え投手で出場機会は少なかったが、特徴的な横手投げが印象に残った

▼当時の沖尚には本格派の投手が複数人いたため、横手投げに変更して自身の強みを確立した。大学でも投球法の改良を続けて、プロで2桁勝利を挙げるまでに成長した

▼県内のラグビー関係者は子ども向け教室の開催など育成を強化し、九州でも実力の向上が認められるようになった。コロナ禍の大会中止で活躍の機会が減っても、沖縄に来る日本代表と試合をして気持ちを維持した

▼ラグビーの県代表は31年ぶりに国民体育大会に出場する。厳しい状況に直面しても、自分たちにできることを考えながら活動した結果だろう。大舞台での躍進に期待したい

▼アスリートはさまざまな突破術で難局を乗り越える。その手法は参考になることが多い。日常生活でうまくいかないとき、アスリートの姿に目を向けてみてはどうだろう。何かヒントが得られるかもしれない。

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