福井県の方言や波、風…「音」を詰め込んで長編映画 津田寛治さんや地元住民出演、2023年夏完成目指す

方言をはじめ、福井県内各地で耳にする音をテーマにした長編映画の一場面

 福井県内各地の暮らしや自然の中で耳にする「音」をテーマにした長編映画を、福井市の任意団体が制作している。県内5カ所で撮影した物語をつなぐオムニバス形式で、地域によって異なる方言をはじめ、波や風の音などを随所に織り交ぜ、来夏の完成を目指す。福井県のふるさと納税型クラウドファンディング(CF)で10月23日まで制作費の支援を募っている。

 2024年春の北陸新幹線県内開業に向け、県などが進める「福井の方言愛着ましましプロジェクト」の一環。制作するのは任意団体「ふくいまちなかムービープロジェクト」。福井市で短編映画祭や市民参加型の撮影イベント「ムービーハッカソン」を実施している。

 今回の映画は、劇場公開できる長編として企画した。福井、勝山、敦賀、小浜各市と越前海岸で撮影し、田園地帯を自転車で駆け抜けていく高校生や、港で海を眺める女性などのドラマを、それぞれの場所に根付いた音とともに描く。地元住民や俳優・津田寛治さんも出演する。

 鯖江市出身の映画監督で俳優の片山享さんがメガホンを取る。片山さんは「時に記憶をくすぐり、時にその地域に住んでいるような感覚になれる映画になったら」とコメント。同プロジェクト主宰の宮田耕輔さんは「映画を見て、福井に来たくなるはず」と話す。完成後、撮影を行った市町で試写会を開く予定。

 資金募集の目標額は100万円。寄付はCFサイト「レディーフォー」から。福井県へのふるさと納税として扱われ、寄付額のうち2千円を除く金額が税控除の対象となるため、自己負担2千円でプロジェクトの後押しができる。所得に応じて控除額に上限がある。

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