初回は原爆紙芝居を披露 長崎県被爆者手帳友の会「ふれあう九の日」

原爆紙芝居を披露する三田村さん=長崎市、ヒバクシャ・コミュニティ・センター

 長崎県被爆者手帳友の会は、29日を「ふれあう九の日」とし、被爆体験講話などを通じて市民と交流を図ることを決めた。初回の9月29日、長崎市の被爆者、三田村静子さん(80)が原爆紙芝居を読み、来場者が感想や平和への思いを語り合った。
 三田村さんは、1年かけて同市の被爆者、奥村アヤ子さんの被爆証言をまとめた紙芝居「ひとりぼっち」を披露。原爆で家族8人を失った奥村さん。「どれだけ待っても父も母もきょうだいも帰ってこなかった」「原爆が私の人生を変えた」。奥村さんの体験や思いを三田村さんは切々と読み上げた。
 来場した会員ら約20人は「胸が詰まった」「紙芝居で被爆者らの思いを後世に伝えてほしい」などと口々に感想を語った。
 三田村さんは「外国でも、言葉は分からなくても、絵で平和の大切さを伝えることができる。もう二度と戦争や原爆はあってほしくない」と願った。
 次回(29日)も同市松山町のヒバクシャ・コミュニティ・センターで三田村さんが紙芝居を読む。同会のホームページでも動画を配信する。問い合わせは同会(電095.849.1494)。


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