玉城沖縄県知事 基地負担減 協議の場要請 松野氏「枠組みある」 首相面会はかなわず

 【東京】玉城デニー沖縄県知事は3日に上京し、首相官邸で松野博一官房長官と面会した。松野氏との会談は、2期目の就任後初めて。玉城知事は、米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設計画見直しを含めた、沖縄の基地負担軽減について協議の場の設置を求めた。松野氏は「政府としては従来の考えに立っている」と述べるにとどめ、具体的な回答はなかったという。

 会談は非公開で、終了後に玉城知事が記者団に概要を語った。玉城知事は、官邸側に岸田文雄首相との面会も求めたが、日程の都合で実現しなかった。

 米軍嘉手納基地(嘉手納町)の元駐機場「パパループ」地区への防錆(ぼうせい)整備格納庫の設置の見直しや米軍基地周辺での有機フッ素化合物(PFAS)の調査についても、政府から米側への働きかけを求めた。

 玉城知事によると、県が求める県と国、米側との三者協議について、松野氏は「非常に重要だ」との認識を示しながらも、「既存の協議の枠組みがある」として設置について具体的な言及は避けた。その上で、岸田首相が所信表明演説でも述べた「強い沖縄経済」の実現に取り組む考えを示したという。

 玉城知事は、新型コロナで打撃を受けた県経済の回復と、基地負担軽減との両立を目指す考えを示した上で「政府の考え方とも同じ方向ではないかと受け止めている」と強調した。 (安里洋輔)

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