エンジェルドレス製作費をCF 岡山中生有志、死産の赤ちゃん用

エンジェルドレス作りに取り組んでいる(左から)林さん、宇野さん、重戸さん

 エンジェルドレス、届けたい―。岡山中(岡山市南区箕島)の1年生有志3人が、死産した赤ちゃんに着せる専用の服作りに取り組んでいる。希望する個人・団体、医療機関に贈る予定で、材料費や送料に充てる資金をクラウドファンディング(CF)で募っている。

 宇野茉依さん(12)、重戸美慶(みちか)さん(12)、林咲結(さゆみ)さん(13)。母親が助産師だったり身近に死産を経験した人がいたりして、夏休みの自由研究で死産について学ぶ中、ドレスの存在を知った。

 「突然の悲しみに心の整理がつかない妊婦さんに向け、私たちができることを」と、中学校生活の残り2年半をかけプロジェクトを進めることを決めた。

 死産した胎児は軟らかくて抱っこもままならず、市販のベビー服では大きすぎるという。このため、肌に優しい2枚重ねのガーゼ生地を用い、妊娠12~28週の胎児の大きさに合わせた3サイズを製作。頭部ももろいため、保護する帽子も作り、おくるみとの3点セットにした。

 試作品の材料購入には小遣いなどを充て、自宅で空いた時間に手作り。3人は「手先が不器用」と口をそろえ、当初は手縫いで1着に7時間かけたというが、今はミシンを取り入れ、中学課程修了までに100着を作る予定だ。

 関連の本やインターネットで情報を収集し、ドレスを製造販売する県外の女性や、地元の助産師から助言も受けた。3人は「お別れの際に赤ちゃんを抱っこしてもらいたい。ドレスが少しでも家族の助けになったらうれしい」と支援を呼びかける。

 CFは山陽新聞社や中国銀行などが運営する「晴れ!フレ!岡山」のサービスを利用。25万円を目標に11月30日まで募る。返礼品として感謝のメールや活動報告書を送る。

 詳細や支援は専用サイト(https://readyfor.jp/projects/105442)。

胎児の大きさに合わせ3サイズ用意した3点セット

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