立派に育って 尾向小児童ら、木の役割学び植樹

以前は杉林だった斜面に苗を植え付けていく児童ら

 椎葉村の尾前地区住民らでつくる「尾前里山保全の会」(尾前一日出(かずひで)会長、13人)は1日、旧尾向(おむかい)小跡地周辺で「タフな里山を未来へつなごう」と題したプロジェクトを開いた。尾向小児童や保護者、会員ら約40人が参加。木や里山の機能を学び、イロハモミジなど90本の苗を植樹した。
 同会は2012年設立。地域の竹林整備や木炭の製造販売のほか、近年は同校跡地を活用し児童と一緒にツリーハウスやブランコなどを作る「森の遊園地」整備に力を入れている。
 子どもたちは、木や森が空気をつくり水をため込む役割を果たしていることを学んだ後、低学年児童らが平地にウメの苗、高学年児童らは以前杉林だった斜面にヤマザクラやイロハモミジなどを植樹。児童らはスコップやくわを使って懸命に穴を掘り、苗を植えていった。その後は同所にある滑り台などで元気いっぱいに遊んだ。
 同小5年の石井敦大(あつひろ)君(11)は、「地面の下は石や根っこだらけで穴を掘るのが大変だったけど、14本ぐらい植えた。大きな木に育ってほしい」と笑顔。尾前会長は「台風で被害を受けた今だからこそ、山のことを学ぶいい機会になったのでは。今日の体験がいつか村の良さに気付くきっかけの一つになれば」と話していた。

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