カープファンから入団 解説者 そして監督へ  新井 貴浩さんの軌跡

カープファンなら誰もが待ち望んだ 新井 貴浩さんの監督就任。現在は、野球解説者として活躍中ですが、その人物像に迫ります。

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新井 貴浩さんは1998年、ドラフト6位でカープに入団しました。

入団時の記者会見
「駒沢大学から参りました。新井貴浩です。小さいころからカープを見て育ってきましたので、小さいころの夢がかないまして、うれしいです」

翌年の5月12日の巨人戦、代打でプロ初安打を放ちます。

新井さんのポリシーは猛練習。

培った技術が開花し、2005年に自身初、シーズン打率を3割に…。

2005年 当時の試合実況
「打ちました。センターがバックする。入った、ホームラン。3試合連続。新井がもう止まりません。新井が波に乗っています!」

「センターとライト、2人が下がる。どうか。入った、ホームラン。新井、これでなんと4試合連続のホームランになりました!」

さらにこの年、43ホームランを放ち、初のタイトルを獲得します。

新井 貴浩 選手(2005年 当時)
― 以前は “空に向かって打て” と言っていたが、意識が変わった?
「本当に空に向かって打っちゃったら打てないので…。意識的にはそういうふうにありますけど、本当に空に向かって打とうとは思っていないです」

しかし、2007年、FA権を行使し、阪神に移籍。

2007年11月8日 FA宣言
「本日、わたくし新井貴浩は、 FA宣言を行使する書類を球団の方に提出しました。つらいです。ぼくが喜んで出て行くのではないということは理解してほしいです」

会見での「FA権なんてなければ、よかった」などの発言は大きな話題となりました。

2014年11月4日 復帰会見
「身が引き締まる思いです。自分が自由契約という道を選択したときに、まさかカープの方から帰ってこいと言っていただけるとは想像してなかったので。正直、かなり悩みましたけど、勝負したいと。勝負できる環境に身を置きたいと。それが一番でした」

そして、2015年。再びカープに帰ってきた新井は、チームの主力として奮起。

2016年4月26日 試合の実況
「もちろん待っているのは2000本安打の瞬間。打球は…、落ちた。やりました!」

2016年には史上の47人目の快挙となる2000本安打も記録しました。

ベテランの域に入ると、その技術のみならず、人間性とリーダーシップでリーグ3連覇に大きく貢献。

2018年 当時の試合実況
「マツダスタジアムでカープの歴史が変わった。9回ツーアウト。山田に中崎が投げました。空振り三振、試合終了。球団史上初、カープ3連覇達成!(新井選手ら歓喜)」

チームを「家族」と表現するハートは、ファンやチームメイトの心をつかんで離しませんでした。

引退してからは野球解説者としても、培った野球観や愛情を存分に発揮。8月6日、奇跡のサヨナラ勝利を飾った秋山選手についてもその人柄があふれるコメントを残しました。

野球解説者 新井 貴浩さん ことし
「秋山選手は『外から来た人間ですけど』と言ったけれど、カープというチームは外も中もない。カープのユニホームを着た瞬間、家族の一員」

選手をリスペクトしながらも勝負の流れを見極める眼力に、ファンからもユニフォーム姿を待望する声が聞かれていました。

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