負傷登山者をヘリで搬送 宇都宮の古賀志山で訓練

負傷者をヘリで吊り上げて救出しようとする消防隊員ら

 【宇都宮】負傷した登山者をヘリコプターで救急搬送することを想定した山岳救助訓練がこのほど、古賀志町の古賀志山中腹で行われた。

 市消防局、西消防署、県消防防災航空隊の合同訓練で、総勢24人が参加。登山者が崖から約10メートル滑落したのをドローンで捜索して安全な場所まで搬送し、無線で誘導したヘリに引き上げて救出搬送するまでの一連の流れを確認した。

 消防隊が現場に到着してから救出するまでの所要時間は約30分。同署の松井光広(まついみつひろ)署長は「3者の連携を確認できたのはよかった。これからも傷病者に寄り添った活動をしてほしい」と講評した。

 東京圏から近く交通の便のよい古賀志山は登山者に人気がある一方、毎年10件前後の遭難事故が発生している。同署によると、2021年度は9件の遭難事故が発生し、このうち6件は防災ヘリが出動。2件は骨折などの重傷だった。

 遭難者は比較的軽装の登山者が多いという。同署では「低山だと甘く見ず、きちんとした装備と余裕のある日程で登山を楽しんでほしい」と呼びかけている。

負傷者をヘリで救出しようとする消防隊員ら

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