3年ぶり「城鍬舞」軽快に 大田原・上石上温泉神社で奉納

軽快な舞を披露する保存会のメンバーや児童たち

 大田原市上石上地区に伝わる県指定無形民俗文化財「城鍬舞(しろくわまい)」が9日、上石上温泉神社の例大祭で奉納された。新型コロナウイルス禍の影響で、3年ぶり。大勢の見物客が見守る中、地元有志でつくる保存会のメンバーや児童たちが軽快に舞を披露した。

 舞は室町時代、大田原城築城に携わった農民をねぎらう酒宴で、地元の農民藤兵衛(とうべえ)が酔いに乗じてすきやくわを持って踊り出したのが起源とされる。

 この日は、保存会のメンバー8人と石上小の3~6年生11人が参加。笛や太鼓に合わせ、藤兵衛役の「うちわとり」がひょうきんに舞い、化粧した早乙女姿の児童たちも、鉄の棒でくわを鳴らして盛り上げた。

 藤兵衛役を務めた会社員小野崎智明(おのざきともあき)さん(44)は「ずっと踊れなかった悔しさがあったので感慨深かった。役目を全うできてうれしい」と話していた。

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