2022年9月の全国企業倒産599件

倒産

9月の倒産 6カ月連続で増加、コロナ関連倒産は最多の210件

 2022年9月度の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は、件数が599件(前年同月比18.6%増)、負債総額が1,448億7,100万円(同59.4%増)だった。
 件数は、4月から6カ月連続で前年同月を上回り、今年最多を記録した。9月としては3年ぶりの増加で、低水準ながら増勢を強めている。
 負債総額は、4カ月連続で前年同月を上回った。9月としては2019年(1,129億8,500万円)以来、3年ぶりに1,000億円を超えた。負債100億円以上が2件(前年同月1件)を含む同10億円以上が21件(同12件)、同1億円以上5億円未満が122件(同100件)と大型倒産が負債を押し上げた。一方で、同1億円未満も434件(構成比72.4%)発生した。
 「新型コロナウイルス」関連倒産は、2020年2月以降、月間最多の210件(前年同月比34.6%増)発生、累計は4,062件に達した。

企業倒産月次推移
  • 「人手不足」関連倒産のうち、「後継者難」が40件(前年同月31件)
  • 形態別件数:破産が548件。法的倒産の構成比は97.1%
  • 都道府県別件数:前年同月を上回ったのが27都道県、減少13府県、同数7府県
  • 負債別件数:負債1億円未満の構成比72.4%、3カ月ぶりに前年同月を上回る
  • 業種別件数:老人福祉・介護事業、パチンコホールなどで増加
  • 従業員数別件数:10人未満の構成比が86.6%、300人以上が3カ月連続で発生
  • 中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)は99.8%

産業別 10産業のうち、6産業で前年同月を上回る

 2022年9月の産業別件数は、10産業のうち、金融・保険業、不動産業、運輸業、情報通信業を除く6産業で前年同月を上回った。
 最多はサービス業他の202件(前年同月比17.4%増)で、3カ月ぶりに前年同月を上回った。このほか、建設業が130件(同27.4%増)で4カ月連続、製造業58件(同13.7%増)と卸売業78件(20.0%増)が2カ月連続、農・林・漁・鉱業が12件(同300.0%増)で3カ月ぶり、小売業が67件(同39.5%増)で5カ月ぶりに、それぞれ前年同月を上回った。
 農・林・漁・鉱業、建設業、サービス業他の3産業は、今年最多となった。
 一方、金融・保険業が2件(同60.0%減)が2カ月連続、情報通信業が18件(同10.0%減)で3カ月ぶり、不動産業が14件(同22.2%減)で4カ月ぶりに、それぞれ前年同月を下回った。また、燃料価格の高止まりが続く運輸業は18件(同14.2%減)で7カ月ぶりに、前年同月を下回った。

産業別倒産
産業別倒産件数推移

地区別 倒産件数、近畿と四国を除く7地区で前年同月を上回る

 2022年9月の地区別件数は、近畿、四国を除く7地区で前年同月を上回った。
 関東246件(前年同月比33.6%増)が、5カ月連続で前年同月を上回り今年最多に。建設業(24→51件)など5産業で増加。このほか、九州49件(前年同月比25.6%増)が3カ月連続、北海道17件(同30.7%増)、中部75件(同1.3%増)が2カ月連続、東北25件(同56.2%増)が2カ月ぶり、中国23件(同27.7%増)が4カ月ぶり、北陸20件(同122.2%増)が6カ月ぶりに、それぞれ前年同月を上回った。一方、近畿137件(同2.1%減)が2カ月ぶり、四国7件(同41.6%減)が4カ月連続で、前年同月を下回った。

都道府県別倒産

※地区の範囲は以下に定義している。

  • 東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)
  • 関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
  • 中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
  • 北陸(富山、石川、福井)
  • 近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
  • 中国(広島、岡山、山口、鳥取、島根)
  • 四国(香川、徳島、愛媛、高知)
  • 九州(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)

当月の主な倒産

[負債額上位5社]

神明畜産(株)/東京都/畜産業/294億5,600万円/民事再生法 (株)肉の神明/東京都/食肉卸、小売/208億400万円/民事再生法 共栄畜産(有)/東京都/肉牛飼育/72億900万円/民事再生法 (株)オーケーエー/新潟県/パチンコ・スロットマシン販売、メンテナンスほか/40億円/取引停止処分 平野町(株)/大阪府/建装材・化粧紙卸/34億円/特別清算

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