「輝かしい成果を未来に」とちぎ国体閉幕 栃木県は2位【動画】

感謝の気持ちなどを伝える横断幕を手に行進する本県選手団=11日午前10時5分、宇都宮市のカンセキスタジアムとちぎ

 第77回国民体育大会「いちご一会とちぎ国体」の総合閉会式が11日、宇都宮市のカンセキスタジアムとちぎで行われ、11日間にわたる激闘が幕を閉じた。男女総合(天皇杯)と女子総合(皇后杯)の優勝はいずれも東京都が獲得し、本県はともに2位となった。新型コロナウイルスの影響で3年ぶりの開催となった国体は一部競技を除き有観客で実施。感染対策を講じながら選手やボランティア、観覧者ら総勢約36万人が参加した。国体の炬火(きょか)は29日から始まる第22回全国障害者スポーツ大会(障スポ)へ、国体旗は来年の「特別国体」開催県の鹿児島へ引き継がれた。

 午前10時過ぎ、47都道府県の選手団約670人が入場すると、約5千人の観覧者らが健闘をたたえ盛大な拍手を送った。式には秋篠宮家の次女佳子さまが臨席され、東京の選手に天皇・皇后杯を授与した。

 天皇杯獲得を目標に掲げていた本県は惜しくも届かず、開催都道府県が逃すのは2017年の愛媛以来となった。東京の天皇杯獲得は5年ぶり16度目。

 伊藤雅俊(いとうまさとし)大会会長はあいさつで「皆さんの活躍は大会を盛り上げ、全国に勇気と元気を与えた」と述べた。

 大会を見守った炬火は、本県選手が炬火台からトーチで分火し、障スポの出場選手へと託された。国体旗は福田富一(ふくだとみかず)知事から塩田康一(しおたこういち)鹿児島県知事へと手渡され、両知事は固い握手を交わした。

 1時間の式を終え、選手団の退場では本県選手約200人が、退場口に立ち、共に競い合った全国選手団を笑顔と拍手で見送った。

 大会実行委員会によると、国体期間中、選手や関係者、観客を合わせて37正式競技に29万5337人、1特別競技で1万9560人が参加。5公開競技に3238人、31デモンストレーションスポーツに1万848人が参加した。開閉会式を含めると計35万8075人となった。

 コロナ下での初の開催となった今回の国体では、選手の来県前と来県後に検査を実施し「水際対策」を強化。県によると、会期前競技を含めて選手と関係者約2万3千人のうち陽性者は6人で、感染の広がりは確認されなかった。

 福田知事は閉式後の記者会見で「本県では42年ぶり、コロナ下では初めての開催となった国体は無事に終了し、感動のフィナーレを迎えることができた。輝かしい国体の成果を栃木の未来につなげていきたい」と総括した。

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