「レジェンド」葛西さん講演 口加高120周年記念式典 長崎・南島原

人生の目標を持つことの大切さを伝える葛西さん=南島原市、口加高

 今年創立120周年を迎えた長崎県南島原市口之津町の県立口加高(馬木みどり校長)で8日、式典があった。スキージャンプ界のレジェンド葛西紀明さんが「夢は、努力でかなえる」と題し記念講演した。
 同校は1902(明治35)年、私立の口之津女子手芸学校として創設。その後、口之津村立口之津女子手芸学校、県立口加高等女学校と改称され、48(昭和23)年に現校名に。現在は普通科と福祉科で244人が学んでいる。これまでの卒業生は2万1365人。
 式典には在校生のほか、教職員や同窓会員ら約350人が出席。先人たちが築いてきた長き伝統を受け継ぎ、新たな歴史をつむいでいく思いを新たにした。
 葛西さんは、冬季五輪最多8度出場、ワールドカップ最年長(41歳219日)優勝など「レジェンド」と呼ばれる数々の記録を残してきたトップ選手。現在は土屋ホーム(札幌市)に選手兼任監督として所属している。
 講演で葛西さんは貧しかった少年時代、競技生活を支えてくれた母親とのエピソード、病魔と闘い続けた実妹への思い、ジャンプ日本団体の金メダルで沸いた98年長野五輪での挫折など波瀾(はらん)万丈の競技生活を回顧。「(死別した母妹ら)家族のために好成績を出す、という思いで飛び続けてきた」と言葉を重ねた。
 最後に「金と銀、銅は雲泥の差。50歳になったが、金メダル獲得をあきらめてはいない。皆さんも人生に目標を持ち、努力を積み重ねてほしい。もし金メダルが取れたら(報告のため)再び来校したい」と生徒たちにメッセージを送った。


© 株式会社長崎新聞社