敦賀駅~城崎温泉結ぶ豪華観光列車を運行 北陸新幹線延伸の2024年秋にJR西日本 ボックス席や個室の和空間

新型観光列車の車内イメージ(JR西日本提供)
JR小浜線を走る新型観光列車の外観イメージ(JR西日本提供)

 JR西日本は10月12日、敦賀駅(福井県敦賀市)から小浜線を経由し、京都府北部を通って城崎温泉駅(兵庫県豊岡市)を結ぶハイグレードな新型観光列車の運行を2024年秋に開始すると発表した。北陸新幹線敦賀延伸に伴い、24年秋に北陸3県で展開する大型観光企画「北陸デスティネーションキャンペーン(DC)」に合わせて期間限定で運行。沿線地域の観光資源と鉄路を組み合わせ、新幹線開業効果を高める。

 特急はまかぜに使用しているディーゼル車「キハ189系」を改造し、3両編成で走らせる。どの路線を走っても自然や景観、駅舎に映えるよう、車体は紋付き染めで最高級とされる檳榔子(びんろうじ)染めの赤みを帯びた黒色のシックな色彩。車両下部には帯状の金色の草花をデザインする。

⇒“最高級”の外観イメージ

 車内は和をイメージした内装が施され、本来は約150席の定員を54席に抑え、ゆったりとした空間を実現する。窓向きの座席や4人掛けのボックス席、個室を用意し、歓談したり沿線地域の人々と交流したりできるフリースペースも設ける。JR西の長距離観光特急列車「ウエストエクスプレス銀河」のデザインを手掛けた川西康之さんが監修し、利用料金はグリーン車以上の水準を見込む。

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 JR西は「季節ごとに運行エリアを替えて、お客さまと各地域を結び、地域のとっておきを発信する列車」と説明。第1弾の運行ルートに小浜線などが選ばれた。敦賀駅を出発して小浜線、舞鶴線、京都丹後鉄道、山陰本線を経由して城崎温泉駅に到着する。列車名や運賃、停車駅は今後公表する。

 長谷川一明社長は会見で「沿線のとっておきの魅力を地域と連携して発信したい。鉄道のポテンシャルをどれくらい発揮できるのか。一生懸命取り組んで確認していきたい」と意気込みを語った。

 福井県は小浜線で観光列車を運行するようJR西に要望していた。県地域戦略部の大石秀昭副部長は「福井ならではのおもてなしを沿線市町やJRと連携しながら企画し、観光客を迎えたい」と期待を寄せた。

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