備中武士の甲冑や古文書紹介 高梁で企画展「もののふの系譜」

甲冑や刀剣、古文書などが並ぶ会場

 江戸時代に現在の高梁市域を治めた大名や旗本ゆかりの武具や古文書を一堂に紹介する展覧会「もののふの系譜」が、同市原田北町の市歴史美術館で開かれ、市民や歴史ファンらの目を楽しませている。開館25周年の記念企画展。

 備中松山城主を務めた小堀、水谷(みずのや)、板倉家をはじめ、成羽藩主の山崎家の品を中心に計49点を展示する。会期は前期が17日までで、一部展示替えを行い、後期は19日から11月28日まで。

 前期展に出品された約40点のうち、板倉家の始祖・勝重(1545~1624年)の所用と伝わる「日の丸金箔(きんぱく)押紺糸威(おどし)二枚胴具足」(県重要文化財)は、兜(かぶと)を鳥の羽根で高く覆い、金箔を施した胴部分に日の丸を配した勇壮な甲冑(かっちゅう)。「宝剣銘国重」(同)は、水谷勝宗(1623~89年)が天和3(83年)年、備中松山城の修復完了に際し天守に奉納したとされる。

 古文書は、幕府が山崎豊治(1619~1700年)に成羽を治めるよう命じた「山崎豊治宛江戸幕府老中連署奉書」(市重要文化財)、備中国奉行だった小堀遠州(1579~1647年)が頼久寺(頼久寺町)の境内における禁止事項を記した「小堀遠州制札」(市重要文化財)などが並ぶ。

 このほか、岡山ゆかりの戦国武将宇喜多秀家が、毛利方との戦いで手柄を立てた武士に送った書状も公開され、来場者の目を引いている。

 企画した高梁市教委の上村和史さん(31)は「当時のもののふたちに関する史料を通し、高梁の歴史を知ってもらえれば」と話している。

 午前9時~午後5時(入館は午後4時半まで)。火曜休館。入館料は一般500円など。問い合わせは同館(0866―21―0180)。

板倉家の始祖・勝重の所用と伝わる「日の丸金箔押紺糸威二枚胴具足」

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