広くて快適!ogawa(オガワ)のフラグシップモデル2ルームテント「ティエララルゴ」を徹底解剖

こんにちは。ファミキャン用テントは常に1つだけ、という家庭内法律があるくにぱぐ(パギー)です。今回は国内最大手ブランドの1つ「ogawa」のフラグシップモデルである2ルームテント「ティエララルゴ」について徹底解剖していきます。とにかく作りが素晴らしく、快適なアウトドアライフを楽しめるテントです!

ogawa「ティエララルゴ」の基本情報

筆者撮影

「ティエララルゴ」はハイエンドモデルを中心としたテントブランド「ogawa」のフラグシップモデルに位置するテントです。主に3つの特徴があります。

特徴1:2ルームテントの中でも圧倒的な広さ

いわゆる「2ルームテント」ですが、ogawaの中でも最大級のサイズを誇り、設営すると長さ620cm × 幅310㎝ × 高さ210㎝という圧倒的な広さを誇ります。

特にリビングスペースが広く、同シリーズで標準的なサイズの「ティエラ5-EX」に比べ、リビングの長さが約100cmも長くなっていますから、5〜6人で食卓を囲んでもまったく窮屈さを感じないぐらいです。

このサイズの大型2ルームテントは、各テントメーカーとも最上級モデルとして位置づけており、例えばスノーピークの「ランドロック」、コールマンの「4Sワイド2ルーム コクーンⅢ」というあたりと「ティエララルゴ」はよく比較されるようですね。

重量は22kg(付属品除く)とさすがに結構あり、収納サイズもかなりの大きさではありますが、ポールをアルミニウム製にするなど、軽量化はかなり意識されているようです。

「ティエララルゴ」はフラグシップモデルだけあり、大きさ以外でも注目すべきポイントがいくつもあります。

特徴2:サイド面の大型メッシュパネル

ティエララルゴの最大のポイントは、サイド面の大型メッシュパネルです。

サイド面は端から端まで分割されたメッシュ状になっており、すべてを開放した時の風の抜け方は快適の一言。ほぼスクリーンタープとして使えます。

特徴3:通気性の良いインナーテント

筆者撮影

また、インナーテントはポリコットン素材で夏涼しく冬暖かい、通気性が極めて良いものを採用しています。

さらに底面はPVC素材と呼ばれる極厚のポリエチレン素材を使用しているため、テントが浸水しても、水に弱いポリコットン部分まで濡れることがありません。

オプションパーツとして、さらにこのインナーテントの下に敷くPVCマルチシートやグランドシートもありますが、もっと格安のシートでも十分なほど(あるいはシートがなくてもよいほど)、PVC部分の厚みは頼もしいです。

フロント部分の跳ね上げ用ポール、ペグやハンマーなども付属しており、そう考えるとオプションの購入などは一切不要と言える、オールインワンを実現したテントです。

あとはさすがogawaと唸ってしまう、ポリエチレン素材部分の分厚い手触りや、どこまでも滑らかに可動するファスナー類など、細かい部分まで満足感を得られるテントだと思います。

ティエララルゴの設営手順

「ティエララルゴ」の設営は、単純な大きさだけでなく構造的にも、大人が二人いないとかなり困難だと思われます。

我が家は夫婦二人で設営していますが、手順がわかりやすいこともあり、初回から30分はかからずに設営できていますが、一人だとその倍以上はかかる気がします。

なお、ogawaは販売店(「ogawa GRAND lodge」)でお願いをすれば、店員さんが展示用テントで設営講習をしてくれます(電話等で事前相談しましょう)。

我が家もこちらをお願いしました。

設営方法だけでなく、コツ的なことも教えて貰えるし、その店舗で買わなければいけない、という決まりもありませんので、是非活用しましょう。

(1)まずはテントのパーツをチェック

筆者撮影

「ティエララルゴ」のバッグは3つあり、「幕体」「ポール」「ペグ&ハンマー」に分かれています。

ペグとハンマーはよくあるペラペラな感じのオマケ然としたものではなく、継続的な使用に耐えられるレベルの品です。が、もし使わない場合は自宅に置いておくほうがいいでしょう。これだけでかなり重量も大きさもあるためです。

幕体は、フライシート、インナーテント、結露防止用のライナーシートの3点。オプションや社外品のグランドシートは自分で用意します。

ポールは多く、6種9本が入っています。

この他、ポールを地面の正しい位置に固定するスタンディングテープが4本、さらにガイロープは2.5m × 6本と3m × 2本が入っています。

ここまであることを説明書を見ながら確認ができたら、早速設営に移ります。

(2)スタンディングテープを設置し、四隅をペグダウン

まず、設営場所にスタンディングテープを置いていきます。

筆者撮影

テープは幾つかに分かれていますが、広げると長方形になる最大のテープをまず置きます。

このテープの概ね一回り広い範囲が、ガイロープ含めたテントの設営スペースになります。

なお、一辺だけあるグレーのテープが「入り口側」になりますが、ここを間違えると設営手順に混乱が生じるので、間違えないようにしましょう。

置いたら、ピンとテープを伸ばしながら、四隅だけをペグダウンします。

筆者撮影

残り3本のテープは長方形の長辺にある金属のリングに結び付けていきます。

なお、この3本のテープはもう二度と取り外さなくてもよいのですが、取り外さないと当然仕舞っている間に絡みやすくなるので、どちらがよいかは各々で検討してみてください。

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2人で設営する場合、「ペグを打つ」「テープを結ぶ」を手分けすると早いですよ。

(3)Aフレームを組み立て、テープの金具に挿しこんで立たせる

筆者撮影

ポールのうち、中心となるのは「Aフレーム」と呼ばれる、3本のポールがジョイントで連結されたものです。

筆者撮影

Aフレームはまず上下をよく確認しましょう。矢印シールで下を指しているほうが下側になります。

ショックコードで繋がれたすべてのポールを接続し、「X」の形を作ったら、前後も確認します。途中に赤い接続パーツのあるポールがAフレームの前方になります。

Aフレームの上下前後が確認できたら、ポールの端をスタンディングテープの四隅ににある金具に挿しこんで自立させます。

これが一人では難しいのですが、二人で行う場合は、一人がAフレーム中央のジョイント辺りをもって支え、その間にもう一人がポールを挿しこんで行くと早いです。

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逆に一人の場合は、次の(4)の行程と合わせ、「とにかく三本ポールを金具に挿す」ようにします。それで自立を優先させる感じです。

(4)赤いポール2本をAフレームに固定する

筆者撮影

次にポールのうち、赤い2本をAフレームの赤い部分に接続します。

この時、ポールを水平にしないと力がまっすぐ伝わりにくく、なかなか接続ができません。ですので、ここも二人で行い、一人がAフレームを下方に引っ張って、もう一人が接続すると良いでしょう。

接続した赤いポールは、スタンディングテープの赤い印がついた金具に端を挿しこみ、固定します。

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ティエララルゴのポールは、色分けで接続場所が分かりやすくなっているのが特徴です。

(5)入り口側のポール3本を固定し、入口を作る

筆者撮影

残ったポールをどんどん組み立てていきます。まず入り口側です。

筆者撮影

入り口側は、Aフレームの前方にある赤と黄色の金具に、長いポールを上から挿しこんでAフレームに跨るようにして、さらに短いポールを下側から挿しこんで、ゲートのような長い1本のポール状にします。

このゲート用ポールの先端を、スタンディングテープの黒いテープ部分の金具に挿しこんで、入り口用のフレームが完成します。

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(6)インナーテント側のポール1本を立て、全フレームが完成

残すフレーム用のポールは1本だけです。

インナーテント側の青いポールで、これは非常に長さがあり、片方をスタンディングテープの金具に挿しこんでからゆっくりと曲げてもう片方も挿しこみます。

このポールはAフレームとは接続されず、そのままだと地面にダランと倒れてくるので、マジックテープのようなもので仮止めしておきましょう。

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(7)フライシートを被せて、ベルクロで固定する

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インナーテントとフライシート、どちらを先に張ってもよいのが「ティエララルゴ」の特徴ですが、ogawaの店員さん曰く、「フライシートを先に張ったほうが楽」とのこと。

なので我が家もフライシートを先に張っています。これはテントの横から二人がかりで被せていくしかありません。

一人では引っ張る際にテントに不自然な力がかかって破れる可能性もあり、二人で慎重に行うべきです。

全部被せたら、ポールを内側からベルクロで留め、さらに8か所のフックをスタンディングテープの金具に引っかけます。

筆者撮影

これでフライシートは完成です。

(8)インナーテントの設営

筆者撮影

インナーテントの設営をする場合、前後を確認しながらインナーテントのPVC部分を四角く地面(もしくはグランドシートの上)に広げていきます。

広げきったら、後ろのカド部分2か所にあるフックをスタンディングテープの金具に引っかけます(前のカドはペグ固定なので最後に行います)。

そうしたら、あとはポールにインナーテントのテープについているフックを引っかけて、ベルトを締め上げれば完成です。

筆者撮影

結構簡単ですよ。

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インナーテントの前方2か所のカドはペグ固定です。幕内なのでそんなにガッチリ打つ必要はありません。短いペグで簡単に止めておきましょう。

(9)ライナーシートの設置

筆者撮影

ライナーシートは、リビング部分の結露防止のため、天井部分を二重にするというシートです。

このため、季節によっては絶対に必要なものではありません。

「ティエララルゴ」のライナーシートは、張ってしまうとランタンなどを吊るす場所が激減してしまうため、装備との兼ね合いも考えながら必要に応じて張るといいでしょう。

張り方はフックでポールに固定するだけです。

インナーテントを使う場合は、画像のように、余った部分は丸めて、インナーテントの手前にまとめておきます。

(10)ガイロープをペグ打ちし、完成!

筆者撮影

巨大なテントなので、ベルクロやフックなどの付け洩れがないかは一回よく確認しておきましょう(結構漏れます)。

問題なければ最後に入り口横のフライシート2か所と、左右計6本のガイロープをペグ打ちし、左右のバランスを見ながらロープを引っ張って固定します。

「ティエララルゴ」はその構造上、ガイロープをしっかり張らないとテントがピンとせず、斜めに傾いたような外見になってしまうこともあります。面倒臭がらずにガイロープは毎回必ず固定しましょう。

筆者撮影

最後に換気用のベンチレーターを開放すれば完成です。必要に応じてフロントの入口を跳ね上げ固定してもよいですが、これはお好みです。

「ティエララルゴ」の魅力&気になる点を徹底レビュー!

「ティエララルゴ」がどんなテントなのか?数回使用した範囲で私が思う良い点と気になる点を書いてみたいと思います。

良い点1:なんと言っても品質がケタ違い! 触ればわかる生地やポールの質感の差!

筆者撮影

元々oagawaのテントの品質の良さはよく知られていますが、「ティエララルゴ」もその点は素晴らしいテントです。

フライシートの質感、ファスナーの動きの滑らかさ…この辺りの「気持ちよさ」はかなり驚きを感じました。

ポリエステル210d(耐水圧1,800mm)という性能面だけでなく、手触りも上質というのはすごいの一言です。

同じくインナーテントのポリエチレン素材はかなり柔らかく、コットンというより綿などを想像させる質感で、インナーテント内のゴージャスさは「セルフグランピング」と言えるほどです。

ポールも決して太くはないですが、しっかりとした作りで、使用後の歪みなどはまったくありません。

ハイエンドモデルの質感は、「ティエララルゴ」の最大の魅力だと思います。品質の良さは長く使えるテントであるとも言えますし、そうした点からもおすすめできます。

良い点2:広いリビングに開放感溢れるパネル構造! 夏、最高に気持ちいい!

※ogawa公式サイトより画像参照:https://www.store-campal.co.jp/products/detail.php?product_id=103

リビングの広さは圧倒的で、これまで我が家で使用していたDODの「カマボコテント2」より広く感じます。

実際には「カマボコテント2」の方がリビング部の広さはあるようなのですが、横幅が30cm「ティエララルゴ」の方が長いのと、壁面が垂直に近いため、より広さが感じられるようです。

正直、家族3人と小型犬1頭だと、だいぶ持て余すレベルの広さです。

この広さに加え、ほぼ全面をメッシュにできる点が素晴らしく、夏の暑い時期でも、オープンタープのように涼しく過ごせます。

「ティエララルゴ」があれば、タープ不要で済みますね。

良い点3:二人作業前提ながら設営は労力小さめ、簡単!

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「ティエララルゴ」は「フレームを組み上げてからフライシートを被せる」という独特の立て方のテントですが、スリープにポールを通す手間がなく、また、大きな力もいらないため、立てる労力はかなり小さいと思います。

また、スタンディングテープを前後間違えずに張ってしまえば、あとは同じ色同士を組み合わせていけばよく、間違いもほとんど起きません。

あくまでも二人での作業を前提としているところはあるものの、このクラスのテントを一人で立てることはあまり考えにくいですし、非常に立てやすいテントだと言えるでしょう。

気になる点1:ポケットやフック類が非常に少ない!

質実剛健な感じのある「ティエララルゴ」は、ちょっとしたポケットやフックなどがほとんどありません。

ポケット類はインナーテントの中に少々、フックもインナーテントの中だけです。荷物の置き場所に割と困ってしまう部分があります。

特にフライシート下にライナーシートを張ってしまうと、ランタンを吊るす場所が見当たらない状態になります。

一応、ライナーシートの真ん中にファスナーがあり、そこを開くと一部のポールが露出するようにはなっています。

なのでそこにランタンを吊るすか、思い切ってライナーシートの使用をしない、という方法を取るしかありません。

荷物についてはテーブルやハンガーを多く揃えておけば、広さはとにかくあるテントなので、それで解決はすると思います。

気になる点2:インナーテントのポリコットン素材はカビないように要注意!

夏涼しく冬暖かい、快適なポリコットン素材のインナーテントですが、取り扱いには慎重さがいります。

快適なのはポリコットン素材が空気中の湿気を吸い取ってくれるからなのですが、それはつまり、このインナーテントの「カビやすさ」でもあるからです。

しかもポリコットン素材は手で触っても含まれた湿気がわかりにくく、「インナーテントだし濡れてはいないから」とバッグにそのまま仕舞いこんでしまうと、次回開けた時には目も当てられない状態…ということもありえます。

ですので、インナーテントも必ず使用後は干してからの収納が必須ですし、自宅で保管する時もバッグから出しておくなど、通気性のよいところに置く必要があるのです。

「ティエララルゴ」で快適・ゆったりキャンプを楽しもう!

※ogawa公式サイトより画像参照:https://www.store-campal.co.jp/products/detail.php?product_id=103

私は今年、「ティエララルゴ」にファミリーキャンプ用のテントを買い換えました。

買い換えにあたり、実のところ、もっと人気のあるテントを欲しいと思っていたのですが、現在人気のあるテントはいずれも極めて入手が難しく、抽選などが当たり前で、なかなか買えないのが実情です。

そこで思い切ってハイエンドモデルの「ティエララルゴ」を選択したのですが、結論から言うと大正解でした。

「ティエララルゴ」は、快適さが段違いで、キャンプにおける疲労が相当軽減されます。家族もゆったりと過ごしており、以前よりキャンプが楽しくなっています。

ogawaのテントは質実剛健で、悪く言うと少し地味な部分もありますが、良さは使ってみればすぐにわかります。

しかもこのテント、入手は比較的容易です。

もし人気メーカーのテントがなかなか手に入らない…とお悩みであれば、「ティエララルゴ」も候補に上げてみてはどうでしょうか?

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