倉敷の赤木さん プロボクサーに テスト合格 県内ジム所属女性で初

プロでの活躍を目指し、ミット打ちに励む赤木選手(左)

 斉藤ボクシングスポーツジム(倉敷市北畝)に所属する赤木美苗選手(17)=同市=が、ボクシングのプロテストに合格した。岡山県内ジム所属の女性では初のプロボクサー誕生という。デビュー戦は来春にも行われる見込みで「将来は攻守で会場を沸かせる試合のできる選手になりたい」と夢を描く。

 地元出身の赤木選手は、同市立万寿小1年でソフトボールを始め、クラブチームなどで内野手や投手として活躍。市立西中時代には県選抜入りも経験した。ただ、進学した県外の高校の環境が合わなかったといい昨年6月に中退、競技からも離れた。その際、“次の目標”としてボクシング好きの父親に勧められ、同月に斉藤ジムの門をたたいた。

 未知のスポーツではあったが、ソフトボールのような団体競技とは異なり「自分が頑張った分だけ成果が出る。自信がついて楽しくなれた」。現在は週4回ほど同ジムに通ってシャドーボクシングやミット打ちをこなし、フォーム固めに励むほか、リズムやスピードを磨く。別のトレーニングジムでも体づくりの筋トレを重ねる。

 競技歴1年3カ月で臨んだプロテストは、9月18日に大阪市内であった。1週間ほど前から緊張していたものの、実技のスパーリング2ラウンドでは「強みのショートパンチが打て、防御も確実にできた」と実力を発揮し、栄冠をつかんだ。

 県内に三つある日本プロボクシング協会加盟ジムから初めてとなる快挙に、斉藤ジムの斎藤博之会長(49)は「今後も岡山から女子ボクサーが生まれる起爆剤になってほしい」と期待を寄せる。

 「普段は優しいが、スイッチが入れば豹変(ひょうへん)する」(斎藤会長)という赤木選手。自らスピードが課題と分析した上で「さらに練習を続け、まずは一つ一つの試合を確実に勝てるようにしていく」と力強く誓った。目標はスーパーフライ級世界王者の井岡一翔選手だ。

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