投資にはどんな種類があるのか?金融アナリストが特徴をまとめて解説

投資を始めようと思った時に、「何に投資したらいいの?」「何から始めればいいの?」という疑問を持つ方は多いと思います。今日はその商品の種類について解説したいと思います。

もうご存知の方も、頭の整理にご活用いただけると幸いです。


投資の種類

資産を投資、運用する手段や商品は大きく4種類あります。

(1)預金
(2)債権
(3)投資信託やETF
(4)株式、先物、CFD、FXなど

一般的には(1)から(4)の順に難易度が高くなり、リスクも上がっていきます。ただ投資の世界ではリスクは振れ幅なので、リスクは低すぎてもリターンも極めて低くなるといえます。インフレを加味するとリスクの低い投資先だけでは資産がどんどん目減りすることにもつながります。

ではどのような選択肢があって、どのような投資が合っているのでしょうか? 順番に紹介していきま。

(1)預金

日本では、自分の資産の大部分を預金している人が圧倒的に多いです。メリットは元本が保証されること。そのためリスクは極めて低いです。そして預けるだけなので、とても楽ちんであるのいうこと。労力がかからないのは嬉しいですよね。

約30年前には金利が5%を超える時代もあり、その時は預金だけでも資産運用は十分だった時代と言えるかもしれません。しかし、現在はメガバンクで0.01%と超低金利で、休日にコンビニのATMで引き出して手数料がかかったら割負けすることもあります。

また、今はコスト高や円安でインフレが日本でも懸念されており、今後も物価が上昇すると想定されるなかで、預金だけだと短期的にも不安がありますし、長期的にも大切な資産が目減りしてしまう危険性があるでしょう。

日本円を主に使って生活をしている私たちにとって、預金をしないという選択肢はなかなか考えられませんが、物価の上昇が仮に政府が目指す2%だとしてもこの金利だと資産の上昇がインフレについていけない状態なので、なにかほかの資産運用と併せることが必要なのではないでしょうか。

同じ預金でも「外貨預金」をしている人もいらっしゃるでしょう。外貨預金は日本円より金利が高いのが魅力ですが、その分為替レートで損失が出る可能性や、手数料が高いなどのデメリットもあります。手数料という面で考えると、銀行で外貨預金をするよりも、後述するFXで運用するのはいかがでしょうか? 手数料が段違いですので、外貨預金を検討しているならFXをまず調べてみることをおすすめしています。

(2)債権

国や自治体、企業がまとまった資金を調達するために発行するのが債権です。国が発行すると国債、自治体だと地方債、企業が発行すると企業債などと名前が変わりますが、いずれも債権です。

債権は、事前に利率や満期日などが決められており、定期的に金利を受け取れて満期日には償還金を受け取ることができるという商品です。安全性が高く、少額でも始められることで人気が高いです。個人向け国債も人気となっていますので、投資されている方もいらっしゃるかもしれませんね。

ただ安全な分、金利が低いことや、換金できるまで最短で1年かかるため流動性が低いのがデメリットです。また金利上昇局面では債券価格は下落しますので、その点もご注意ください。

(3)投資信託、ETF

投資信託は資産運用のプロが運用してくれるという商品です。利益が出れば投資金額に応じて利益が分配されます。

1商品で分散投資ができることや、少額の資金から始められ、NISAにも使いやすいことも魅力です。しかしプロでも必ず利益が出せるわけではないですし、損を出すこともあります。また投資信託では、売買手数料だけでなく、信託報酬や運用管理費用などの運用コストがかかることが多いので、注意してください。

ETFと呼ばれているものは、証券取引所に上場している投資信託でExchange Traded Fund の略です。日経平均株価やTOPIXだけでなく、米国の株価指数であるNYダウなど、指数に連動するものや、テーマ性のある銘柄に分散投資ができたりします。投資信託の一種ですが、取引所に上場しているので株式と同様にリアルタイムで手軽に売買できます。一般的な投資信託と比べて保有コストが安く、投資信託と株式の中間のようなイメージだと理解しやすいのではないでしょうか。

(4)株式、先物、CFD、FX

4つ目の選択肢は自分で選んで自分でタイミングをはかって投資する方法です。

まず株式は企業が直接市場から資金を調達するために発行した有価証券です。簡単に言うと、株式を買うということは、その企業に投資するということ。そして間接的に経営に参加することを意味します。会社が成長して利益が上がれば配当や株主優待などのインカムゲインが見込めます。加えて業績が成長していけば株価も上がり売買益(キャピタルゲイン)を狙うこともできます。

デメリットは株価が下がったら元本割れしたり、損をしてしまったり、企業が倒産してしまって株に価値がなくなってしまう可能性があることです。

続いて先物やCFDについて。

先物取引は原油や金、農産物など特定の商品について、将来いくらで売買するのかという権利を取引しているものとなります。元手の資金以上の取引をする(レバレッジをかける)ことができるので、少ない資金で何倍ものお金を効率よく運用することができます。その場合はもちろん、逆に大きな損失をこうむるリスクも高くなります。

また取引の期間が決められています。大阪取引所及び東京商品取引所では、「ヘッジ取引機会提供による投資者の利便性の更なる向上」を目的として、2022年9月23日(金)より祝日取引を開始しています。日経225先物やプラッツドバイ原油先物などがほとんどの祝日で平日と同様の取引ができるようになったことで、祝日でも先物・オプションを使ったリスク回避などが可能となったことは、投資戦略の選択肢を広げることになるのではないでしょうか。また、この変更によって例えば最終決済を行うための価格である特別清算指数(SQ)の算出日が祝日と重なっても、その日はSQ日として扱われないということは押さえておきたいところです。

CFDは、個別株を取り扱った株式CFD、日経平均株価やダウ平均などの株価指数を売買できるような株価指数CFD、金や原油などを取引できる商品CFDがあり、いずれもレバレッジをかけて取引することができます。差金決済取引で、現物ではなく取引結果の差額のみで決済を行う取引となっており、担保となる証拠金を預け入れて最終的な損益の受け渡しを行う形です。買いだけでなく売りから入ることもできるので、上昇局面だけではなく下落局面でも利益が出せることや、先物取引よりも少ない投資資金から取引できることが魅力であるといえます。

最後にFXです。

日本円や米ドル、ユーロ、豪ドルなどの通貨を売買する取引のことをFX取引と言います。為替の変動によって利益が出たり、損失が出たりします。FX取引でもレバレッジをかけた取引が可能です。FXは外貨預金に比べると為替手数料が安いため、レバレッジをかけずに取引することで、外貨預金と同様のリターンを少ない手数料で手にすることができるというメリットもあります。FX取引に関して詳細は、こちらの記事も参考にしてみてください。

株式や先物、CFDやFXについては、ビジネスのように学んだり練習したり、経験を積むことが必要です。メリットとデメリットをしっかり理解し、リターンを把握して、ご自身の仕事や家事のペースなどを鑑みてどのくらい注力できるか、またどのくらいの資金を投資するかによって、リスクやリターンを加味して投資法を選ぶのがキモだと思います。

10月10日週「相場の値動き」おさらい

10月14日(金)の日経平均株価は、前日比853円34銭高の2万7,090円76銭と反発し、約1週間ぶりに2万7,000円を回復しました。10月7日(金)の日経平均株価は2万7,116円11銭でしたので、週間では25円35銭の下落となっています。

インフレ関連の経済指標が注目される中、10月12日(水)発表の9月PPIは前月比0.4%上昇と、市場予想を上ぶれ(インフレ圧力に)、9月開催分のFOMC議事要旨はおおむね市場の想定通りの内容でした。

10月13日(木)発表の9月CPIは総合は前年同月比 8.2%、コア指数は6.6%上昇と、市場予想をともに上回りました。その結果を受けて米長期金利は上昇(一時4%超え)し、株式市場は売り先行でスタートしましたが、長期金利の落ち着くと買い戻しが優勢になりました。需給で買われた印象です。

CPIの強い結果はFRBが大幅利上げ継続の見通しにつながり、次回のFOMCで0.75%利上げの確率はさらに上昇。ほぼ折り込まれています。

英政府が減税政策の見直しを議論しているとの報道は買材料となったようです。その流れを受けて週末の日経平均も買い戻しなどの買いが優勢となりました。

為替市場でドル円は1ドル=147円台後半と1990年8月以来、約32年ぶりの円安水準となっており、円安ドル高進行となりました。

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