<始動 長崎県議選> 諫早市区(定数4) ベテラン勢に挑む40代

 2日、諫早市飯盛町田結。坂口慎一が自身の活動を紹介した「県政だより」をポスティングしていた。高来町などが地盤の坂口にとって初めて歩く集落。住民とあいさつを交わし、4時間で約300部を配った。「これを見て連絡してくる有権者もいる。道路問題など行政への要望に発展することもある」。半年後に向け浸透を急ぐ。
 市長選出馬などで現職2人が辞職した同市区。欠員に伴う昨春の補選で初当選したのが自民の坂口と千住良治だった。いずれも元市議で40代。今回、自民の八江利春、国民民主の山口初實のベテラン勢と同じ土俵で初の本選に挑む。
 「この1年半で地域からの陳情は明らかに増えた」と手応えを語る千住。だが悩ましげな表情も見せる。地盤の市中心部は八江と競合。新人4人が争った補選では最多の約2万8千票をたたき出したが、「本選では3分の2は減ると覚悟しなければ。正直、自分の基礎票が分からない」。票の流れを読みあぐねている。
 一方、「九州新幹線長崎ルートの全線フル規格化に道筋をつけたい」として10期目を目指す県議会重鎮の八江、連合長崎の支援を受ける副議長の山口も態勢固めを急ぐ。共産は新人の本山敏彦を擁立する。5人以外にも「候補者の顔触れを見定めている」との声もあり、構図は流動的だ。山口は表情を引き締める。「1年半前に投票用紙に名前を書いてもらった補選当選組の方が、有権者の記憶には新しい。今回の戦いは簡単にはいかない」=文中敬称略=

◎立候補予定者

八江 利春 82 自現(9)
坂口 慎一 42 自現(1)
千住 良治 49 自現(1)
本山 敏彦 60 共新
山口 初實 74 国現(3)

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