【清倉淸一さん(株式会社あやめコーポレーション 代表取締役社長)】ポッポ焼きでみんなを笑顔に

株式会社あやめコーポレーション 代表取締役社長 清倉淸一さん

プロフィール
清倉 淸一(せいくら きよいち):阿賀野市出身。高校を卒業後、警察官として勤務する。2010年にあやめコーポレーションを設立し、アルビレックス新潟のホームゲームでのスタジアム販売を開始する。現在はポッポ焼きの真空パック商品を開発し、店頭販売や通信販売を行っている。


ガタチラスタッフ:『新潟人121人目は「株式会社あやめコーポレーション」代表取締役社長の清倉淸一さん。前職は警察官という清倉さんに、ポッポ焼きを販売するまでの苦労と秘話をお聞きしました!素敵な笑顔で取材に応じてくださり、ありがとうございました!』

きっかけはスタジアム販売

──あやめコーポレーションを設立する前は警察にお勤めだったのですね。

清倉さん:そうなんです。刑事部の暴力団対策担当をしたり、5年ほど東京の警視庁にもいました。定年直前まで長い間勤めましたね。

──なぜポッポ焼きの販売を始めたのですか?

清倉さん:サッカーのアルビレックス新潟がJ1に昇格した頃に、「ホームゲームで新潟名物を販売したい」とアルビレックスから相談を受けました。サポーターにアンケートを取ると、ポッポ焼きが多かったんですよね。

──簡単にポッポ焼きを販売できるようになったのですか?

清倉さん:当時のポッポ焼きの販売権は独占されていたので、勝手にお店を出すのはできませんでした。交渉を重ね、翌シーズンからビッグスワンで販売できるようになったのです。

──交渉に成功したのですね(笑)!

清倉さん:周りはビックリしていましたよ。「なんで売っているんだ!」と言われてね(笑)。昔は材料費も安くて儲かる商売だったので、売りたいと思っていた人は多かったと思います。

──退職後のことも考えられていた中で、ポッポ焼きをやると決めた理由を教えてください!

清倉さん:最初は自分が続けるつもりはありませんでした。会社の権利を仲間に譲って、行政書士の事務所を始めるつもりだったのですが、色々あって自分でやることにしました(笑)。しかし、サッカーの試合だけでは成り立たないので、万代シテイバスセンターにも出店し、年間2,000万円を売り上げていました。

──すごいですね…!

清倉さん:しかし、私が病気になってしまい、店舗を畳まざるを得なくなりました。継ぎたいという方は何人もいましたが、中途半端な考えでは、引き継いで欲しくなかったんですよね。それから現在の場所で、真空パック商品をメインに販売を始めました。

真空パックされたぽっぽ焼き

真空パックを贈答品の定番に

──真空パックのポッポ焼きはこれまでにはない商品ですよね。

清倉さん:以前はポッポ焼きを発送する時は新聞紙に包んでいましたからね。それなら改良する余地があると考えて、思いついたのが真空パックです。衛生的で品質も保てますし、受け取る方も安心して食べることができると思います。

──贈り物としての需要は以前からあったのですね。

清倉さん:真空パック商品ができる前から、「遠方の方に送りたい」という要望が多かったですね。その願いを叶えるために、「安心して食べられる状態で送れる商品を作ろう」と考えました。

──開発には苦労もあったのではないでしょうか…。

清倉さん:問題はすぐ硬くなってしまうことでした。それをクリアするために研究を重ねて、小麦粉と砂糖のほかに、重曹とベーキングパウダー、天然トレハロースを入れて改良しました。ベーキングパウダーと天然トレハロースにはふっくらさせる効果と甘味をプラスする効果があるんです。こうして真空パック用に改良しましたが、今では店頭販売用にも配合しています。そのおかげで、真空でなくても数日間は柔らかさが持続するようになりました。

──清倉さんはどこかで修業されたのですか?

清倉さん:独学です(笑)。段取りは見て学び、ひたすら作り続けましたね。ポッポ焼きは単純だからこそ奥が深いんです。焼く場所が外か屋内かでも出来上がりが変わりますし、とても繊細です。材料の分量も細かく決まっているので、少しでも間違うとすぐに分かります。

──シンプルだからこそ難しいのですね。

清倉さん:当社のポッポ焼きは材料を混ぜてから、冷蔵庫で1日寝かせて発酵させているのでもちもち感が出ます。そこがこだわりであり、他店のポッポ焼きとの差別化のポイントです。それと原料の黒砂糖には特にこだわっていて、品質の良いタイ産を使っています。アクが出ないので美味しく仕上がります。

ぽっぽ焼き

奥深いポッポ焼き、日々研究

──おいしいポッポ焼きを販売するために日々研究されているのですね。

清倉さん:今販売しているものが100%完成品だとは思っていません。まだまだ改良の余地があります。だからと言って、ポッポ焼きの原点を変えるつもりはありません。昔ながらの形は変えずに、よりおいしいポッポ焼きを提供していきたいです。

──お客様との印象に残るエピソードを教えてください!

清倉さん:東日本大震災で被害を受けた南三陸町へボランティアとして行った時に、避難所でポッポ焼きを焼いたんです。避難所にいた子供たちが嬉しそうに、「おいしい!」と喜んで食べていた無邪気な表情が忘れられないですね。私の方が元気をもらいましたし、もっとおいしいポッポ焼きを作ろうと思いました。

──最後に、今後挑戦したいことを教えてください!

清倉さん:真空パック商品を発展させて、バリエーションを広げていくことです。「ポッフル」や「ふくふく」、「ポッポ焼きシナモン味」などを詰め合わせにした「新潟土産セット」を作りたいと考えています。誰も真似できないようなものを作りたいですね!その延長線で、お家でポッポ焼きが焼けるキットも作ってみたいです。

店舗外観

\ 商品は通販サイト「ガタ市」から購入できます /

あやめコーポレーション
住所:新潟市西区寺尾朝日通15−34 エノキアン第一ビル
営業時間:11:00~16:00
定休日:土曜・日曜

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