宇都宮ブリッツェンに「台湾の英雄」入団 清水監督、増田主将は移籍

宇都宮ブリッツェンに新加入するフォン・チュン・カイ(中央)=宇都宮市大通り周回コース

 自転車ロードレースの宇都宮ブリッツェンは15日、2023年シーズンの新体制を発表し、清水裕輔(しみずゆうすけ)監督兼ゼネラルマネジャー(41)と増田成幸(ますだなりゆき)主将(38)の今季限りでの退団と、世界最高峰カテゴリーのワールドチーム「バーレーン・ヴィクトリアス」に所属する台湾人、フォン・チュンカイ(33)の入団を明らかにした。清水氏に代わり来季は選手の西村大輝(にしむらひろき)(27)が引退し、新監督に就任する。

 清水氏と増田は、ジャパンサイクルリーグ(JCL)が新たに発足させ海外ツアーに参戦する、JCL選抜国際チーム「JCLチーム右京」に移籍する。清水氏は監督に就任、増田は主将としてツール・ド・フランスを目指す新チームを率いる。ブリッツェンのGMは広瀬佳正(ひろせよしまさ)副社長が務める。

 フォンはブリッツェン創設以来初の外国人選手となる。台湾人選手として初めてワールドチームに所属した、アジアトップクラスの実力を持つオールラウンダー。台湾の国内王者も3度経験しており、台湾の英雄と評されている。

 ブリッツェンはこの日、ジャパンカップクリテリウム表彰前に行われたスペシャルステージで新体制を発表。9季にわたりチームを率いた清水監督は「たくさんのファンやスポンサーに支えられ、ブリッツェンに感謝しているし、すごく成長させてもらった」と声を詰まらせた。

 延べ11季、国内トップの走りでファンを魅了した増田は「今の気持ちは1日では語れない。僕の魂はブリッツェンと共に歩んできた。ポジティブな決断の移籍となるが、応援してくれた人に感謝の気持ちでいっぱい」とあいさつすると、会場は万雷の拍手に包まれた。

宇都宮ブリッツェンに新加入するフォン・チュン・カイ=宇都宮市大通り周回コース

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