4年ぶりの大舞台

 3年ぶりに開かれた大舞台で47都道府県の代表が躍動した。2万人超の選手団が参加して11日に閉幕した「いちご一会とちぎ国体」。スポーツができることを選手たちがこんなにも喜び、晴れがましく思った国体は、かつてなかっただろう▲コロナ禍で中止された過去2年間。特に昨年は予選となる九州ブロック大会の最中に中止が決まった。仕事と両立させながら本大会出場切符を得ていた成年選手の「やっとの思いでつかんだ出場権。やりきれない…」という言葉は今も忘れない▲そんな2年間を経て迎えた今回。選手たちだけではなく、おもてなしブースなどで人と人が交流する姿も戻っていた。競技によっては入場制限もあったが、観客も、ボランティアも、笑顔で一期一会を満喫していた▲約2週間後、次は全国障害者スポーツ大会(障スポ)が始まる。こちらは台風で中止された2019年大会も含め、実に4年ぶりの開催となる▲当然、参加する選手団の士気は高い。障害者の全国大会は健常者のそれより少なく、この大会は多くの選手にとって最高の晴れ舞台。思いはみんな前向きだ▲残念ながら、長崎の国体の天皇杯順位は45位だった。障スポは都道府県対抗ではないが、ぜひ、その分まで輝いてほしい。人と人の間に笑顔の花が咲くことを願っている。(城)


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