和田邦坊「成り金男」スタンプに 灸まん美術館 香川大生と共同制作

和田邦坊の風刺画をアレンジした「成り金おじさんスタンプ」

 第1次世界大戦後の「成り金」の風刺漫画で知られ、小説家やデザイナー、画家としても活躍した和田邦坊(くにぼう)(1899~1992年、香川県琴平町出身)の作品が、無料通信アプリ・LINE(ライン)用スタンプになった。邦坊の作品を管理する灸まん美術館(善通寺市大麻町)が、没後30年を記念して香川大生と共同で制作。邦坊のユーモラスでシニカルな絵の魅力を新たな形で発信している。

 美術館と連携して邦坊を研究している香川大創造工学部の学生たちが「作品の面白さを若い世代にも知ってもらおう」と提案したのがきっかけ。デザインを専攻する学生を中心に、美術館が収蔵する作品から題材を収集。コミカルなイラストにアレンジし、若者言葉を添えた。

 暗い玄関を照らそうと100円札を燃やした「成り金男」が、「きゅんです」「もやすぞ!」「ごはん行きません?」と、さまざまなポーズを取る「成り金おじさんスタンプ」と、邦坊の小説「ウチの女房にゃ髭(ひげ)がある」の表紙絵をはじめとした絵画やデザインのモチーフを取り上げた「ゆるかわスタンプ」の2セット。西谷美紀学芸員は「邦坊の魅力が、コミュニケーションツールとして見事に生かされている。ぜひ日常生活の中で活用してほしい」と呼び掛けている。

 各セット16種類で120円。LINEのスタンプショップで購入できる。問い合わせは同美術館(0877―75―3000)。

小説「ウチの女房にゃ髭がある」などを題材にした「ゆるかわスタンプ」

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