44歳になった元日本代表MF中村俊輔が今季限りで現役を引退すると伝えられている。
必殺のプレースキックを武器にクラブと代表戦で150ゴール以上を決めてきた。
そんな彼がゴールを奪った世界的守護神たちを振り返ってみる。
フランチェスコ・トルド(イタリア代表)
フィオレンティーナとインテルで活躍したイタリアの職人GK。196cmの長身でハイボールに対する圧倒的な自信と抜群の安定感を誇った。実はミラン出身であることは意外に知られていないかもしれない。
アズーリの正GKにはブッフォンが君臨していたため、ワールドカップのピッチには立てず。ただ、EURO2000ではオランダ相手にPKを止めまくり、PKストッパーとしても名を馳せた。
俊輔は2002年9月、当時インテルに所属していたトルド相手にPKでゴールを奪取。コースは読まれたが、その上を行く強烈シュートを突き刺している。ただ、試合はヴィエリとレコバのゴールでインテルが1-2で勝利。
ちなみに、トルドはブッフォンがゴールを守るユヴェントス相手に“ほぼ”ゴールを決めたこともある(実際の得点者はヴィエリ)。
エドウィン・ファンデルサール(オランダ代表)
199cmと長身でその長い手足を活かした安定したセービングと確かな足元、インテリジェンスで一時代を築いた名守護神。
オランダ代表としても130試合に出場したレジェンドだ(代表デビューは24歳と意外にも遅い)。アヤックス時代にはPKでゴールを決めたこともある。
アヤックスのこの試合8点目となるゴールであり、相手GKとしては屈辱的だったが…。
俊輔はそんなファンデルサールから必殺のフリーキックで2ゴールを奪っている。2006-07シーズンのUEFAチャンピオンズリーグでの伝説シーンがこれ。
セルティック対マンチェスター・ユナイテッド戦で2試合連発ゴール!何度見てもすごい…。
あのサー・アレックス・ファーガソン監督も「ナカムラは素晴らしいフリーキックで2点を決めた。彼の能力には敬意を表さざるをえない。彼のセットプレーの才能は並外れている」と脱帽したほどだ。
ファビアン・バルテズ(フランス代表)
通算87試合に出場するなどレ・ブルーで長く守護神として活躍した剃髪の名GK。1998年にはワールドカップ優勝も果たしている。
身長は180cmほどとGKとしては小柄だったが、超人的な反応速度と動物のような俊敏性を武器にゴールマウスに君臨した。
俊輔は2003年に行われたコンフェデレーションズカップのフランス代表戦で彼から見事なフリーキックでゴールを奪っている。
一歩だけ動いてしまったバルテズの逆を突いたシュートは鋭く曲がり落ち、ポストの内側を叩いてネットを揺らした。
FIFA公式も「中村の完璧なフリーキック。本当に美しい。セットプレーのスペシャリストはボックス外から驚異的な一撃を突き刺し、バルテズはノーチャンス」と讃えるほど美しい一撃だった。
マルコス(ブラジル代表)
2002年の日韓W杯で優勝した当時のブラジル代表守護神。
名門パウメイラス一筋で500試合以上に出場したレジェンドであり、クラブだけでなくセレソン史上最も偉大なGKのひとりとされる。
“サン(聖)”という異名がつけられたように驚異的なセーブで幾度もチームを救い、通算30回もPKを阻止したPKストッパーとしても有名。
俊輔は2005年に行われたコンフェデレーションズカップのブラジル戦で彼から衝撃的なゴールを奪っている。ワールドクラスの弾丸ミドルシュートをぶち込み、世界を驚嘆させたのだ。
セレソン相手にゴールを決めた日本人は歴史上4人しかおらず、そういう意味でも伝説のゴールといえる。
アリ・アル・ハブシ(オマーン代表)
最後はアジアが誇る名GK。194cmの長身ながら驚異的な反射能力を持ち、弱かった頃からオマーンを守護神として支え続けたレジェンドだ。
ウィガンでの活躍により、中東のみならずアジア最高のGKと評価されるまでになり、一時はアーセナルやリヴァプールが狙っているとも噂された。
代表戦には通算136試合出場し、日本とは実に6度対戦している。
俊輔はそのアルハブシから2004年のアジアカップ、2008年のW杯予選でゴールを奪取。
特にアジアカップで決めたこのアウトサイドシュートは神!
鮮やかなダブルタッチで2人を瞬殺すると、魔法のようなアウトサイドキック!名手アル・ハブシもDFも触れない完璧なコースを華麗に射抜いた。
【関連】日本代表、W杯に出場した「10人しかいない左利きたち」
俊輔史上に残る伝説シーンでもあるはず…。このゴールは2004アジアカップの公式ベストゴールの“締め”としても使われている。