川崎・宮前3人死傷事故 インコを触りながら脇見運転、女に禁錮4年求刑「被害結果は重大」

横浜地裁川崎支部

 川崎市宮前区で1月、助手席に置いた鳥かごのインコを触りながら脇見運転し、乗用車で自転車2台をはね、2人が死亡、1人が重傷を負った事故で、自動車運転処罰法違反(過失運転致死傷)の罪に問われた同区の無職の女(51)の公判が17日、横浜地裁川崎支部(鈴木真理子裁判官)であり、検察側は「被害結果は重大」として禁錮4年を求刑した。判決は31日。

 検察側は論告で、女の前方不注視の程度は甚だしいと指摘し、「各遺族も厳罰を望んでおり、被害結果は重大」と強調した。

 被告の弁護側は、被告が当初から罪を認めて捜査に協力するなど反省の態度は真摯(しんし)なものとし、執行猶予を求めた。

 この日、遺族が意見陳述し、女性=当時(39)=の夫は、家で物音がすると子どもたちが「ママが戻ってきたかも」と話す様子を語り、「妻を亡き者にした加害者には罪を償ってほしい」と述べた。

 男児=当時(3)=の父は、出勤中に手をつなぐ親子の姿を見ると涙が込み上げ、会社に行けなくなった経験を打ち明けた。女について「ちょっとした不注意ではないと思う。しっかり罪を償っていただきたい」と訴えた。

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