スペースキット(旧商号データドック 新潟県長岡市)が特別清算開始決定、負債総額は2021年3月期時点で47億円以上

株式会社東京商工リサーチ新潟支店によると、データセンター事業、データマネジメント事業のスペースキット株式会社(旧商号 株式会社データドック、新潟県長岡市、登記上は東京都中央区、設立2016年4月1日、資本金1,000万円、代表清算人宇佐美浩一氏)は5日、東京地裁より特別清算開始決定を受けた。負債総額は2021年3月期時点で47億5,866万円であるが、その後変動している可能性があるという。

スペースキットは2016年に、東京都千代田区霞が関3-2-6においてデータセンター事業などを目的に設立された事業体。2018年1月にはAIやブロックチェーン処理などで高まる顧客の需要に対応したデータセンターを長岡市に開所、豪雪地として知られる同地の雪や外気を活用し、空調消費電力を大幅に削減した施設としても話題を集めていた。

その後、同施設の稼働に伴い、2019年3月期は売上高1億5,572万円を計上したが、減価償却費の負担などが重く、10億1,418万円の赤字を計上。その後もデータプレパレーションサービス事業や寒冷地型データセンター事業を他社に譲渡して事業を縮小、2021年3月期は事業譲渡に伴う損失等を計上した模様で25億2,805万円の赤字を計上、債務超過額も43億910万円に拡大していた。

このような状況下で2022年6月29日の株主総会で解散し、清算手続きを進めていた。なお、同社の事業及び施設は他社が譲り受け、現在も事業を継続している。

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