スペースX、インテルサットの通信衛星2機を打ち上げ ファルコン9の第1段機体は14回目の飛行

スペースXは現地時間10月8日、アメリカの通信衛星会社インテルサット(Intelsat)の通信衛星「ギャラクシー(Galaxy)33」「同34」の2機を搭載した「ファルコン9」ロケットの打ち上げを実施しました。スペースXやインテルサットによると打ち上げは成功し、衛星からの電波を受信できたということです。

【▲ インテルサット社の通信衛星を搭載したファルコン9ロケット(Credit: SpaceX)】

2機の衛星を搭載したファルコン9ロケットは、米国東部夏時間2022年10月8日19時5分、米国フロリダ州にあるケープカナベラル宇宙軍基地第40発射施設から打ち上げられ、静止トランスファー軌道(GTO)へ投入されました。ギャラクシー33は同日19時38分にファルコン9の第2段から分離し、同日19時43分に信号受信が確認されました。また、ギャラクシー34は同日19時43分にロケットから分離し、同日20時20分に信号が受信されたということです。

今後、2機の衛星は自身の推進機能を用いて静止軌道へ入り、軌道上での各種試験を行った後に運用が開始されます。インテルサットによると、ギャラクシー33・同34ともに2022年後半の運用開始を目指しているということです。

【▲ 通信衛星「ギャラクシー34」「同35」の想像図(Credit: Intelsat)】

今回使用されたファルコン9ロケットの第1段機体(ブースター)は、14回目の打ち上げと着陸に成功しました。この機体が初めて利用されたミッションは、2020年6月30日の「GPS III SV03」衛星の打ち上げです。その後は2021年1月8日の「Turksat-5A」の打ち上げや2021年6月30日「Transporter-2」の打ち上げに続き、10回の「スターリンク」衛星の打ち上げで使用されてきました。

ギャラクシー33・同34は、インテルサットが運用するCバンド通信衛星で、主に北米向けのテレビ放送用の電波を送信します。衛星はノースロップ・グラマン社が製造と組み立てを行いました。

ギャラクシー33は西経133度に配置され、軌道上の衛星「ギャラクシー15」と置き換えられます。ギャラクシー15は2022年8月に、活発な太陽活動に伴って発生した磁気嵐によって制御を失いました。一方、ギャラクシー34は「ギャラクシー12」と置き換えるために、西経129度に配置されるということです。

【▲ 打ち上げ準備中の通信衛星「ギャラクシー33」(Credit: Intelsat)】

なお、インテルサットは今回の2機に続いて、さらに5機のCバンド搭載衛星の打ち上げを計画しています。2022年11月5日には「ギャラクシー31」と「ギャラクシー32」が、2023年には「ギャラクシー37」が、いずれもスペースXのファルコン9ロケットで打ち上げられる予定になっています。また、2022年12月には「ギャラクシー35」と「ギャラクシー36」が、アリアンスペースの「アリアン5」ロケットで打ち上げられる予定です。

Source

  • Image Credit: SpaceX, Intelsat
  • SpaceX \- INTELSAT G-33/34
  • Intelsat \- Intelsat Announces Successful Launch of Galaxy 33 and Galaxy 34 Satellites
  • Intelsat \- Galaxy 33 and Galaxy 34
  • Northrop Grumman \- Northrop Grumman-built Commercial Telecommunications Satellites Launched Successfully
  • SPACE NEWS \- SpaceX deploys two of six C-band satellites Intelsat is launching this year
  • Spaceflight Now -Two Intelsat video relay satellites ride to orbit on SpaceX rocket

文/出口隼詩

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