コロネル、バックマン兄、17歳の新鋭モンテネグロも参戦。各国TCR代表が続々確定/FIA MSGs

 2019年にイタリアはバレルンガでの初開催を終えて以降、度重なる延期や大会中止でようやく2度目の開催に漕ぎ着けた“モータースポーツ界のオリンピック”こと第2回『FIAモータースポーツ・ゲームス』に向け、TCR規定を採用したツーリングカー・カップに参戦する各国代表ドライバーが続々と確定。オランダからはトム・コロネル、北欧からはバックマン兄妹の長兄であるアンドレアス、そして南米アルゼンチンからは17歳の新鋭イグナシオ・モンテネグロらが名を連ね、すでにエントリーは2桁台に到達している。

 今季10月26~30日の日程にてフランス、ポール・リカールで開催される同イベントは、スポーツの祭典オリンピックの要素を導入するカテゴリー横断型の国別対抗戦となり、このTCR規定ツーリングカーに加えてGT3規定を採用したGTとそのスプリント部門や、ラリー競技ではラリー4、ラリー2規定にクラシック部門も設定。FIA-F4のフォーミュラやレーシングカートにオートスラローム、ドリフトやバギーを採用したクロスカー、さらに『アセットコルサ・コンペティツィオーネ』を用いたファナテック・Eスポーツ・カップも開催される。

 そのTCR部門に1番乗りで参戦表明したオーストラリア代表のアーロン・キャメロン(プジョー308 TCR)を筆頭に、ベルギー代表でWTCR世界ツーリングカー・カップ参戦中のジル・マグナス(アウディRS3 LMS 2)、そして南米出身ながら二重国籍を持つスイス代表としてエントリーのガブリエル・ルスキニョス(クプラ・レオン・コンペティションTCR)らが続々と各国代表に抜擢されてきた。

 そしてこの10月入って以降も各国代表ドライバーのアナウンスが続き、今季は新型『トヨタ・カローラGRS TCR』の登場で注目を集めた2年目のTCRサウスアメリカ・シリーズからは、ブラジル代表としてラファエル・レイス(W2 ProGP/クプラ・レオン・コンペティションTCR)と、隣国アルゼンチンの人気シリーズTC2000(旧スーパーTC2000)でも活躍を演じるモンテネグロ(コブラ・レーシング/FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR)が、それぞれ南米でのシリーズ戦と同様の車種で勝負に挑む。

「ブラジル代表としてFIAモータースポーツ・ゲームスに参戦することにワクワクしている。とくにTCRサウスアメリカでレースをするのと同じ技術規則のクルマをドライブできるから、非常に意欲的に取り組めそうだ」と抱負を語ったレイス。

 同様にTC2000ではルノー・フルーエンスGTをドライブし、勝利も飾っているモンテネグロも「イベントに参加できるこの機会に非常に満足しているし、TCRサウスアメリカ・シリーズ全体が、こうして僕の参戦を手助けしてくれたことに感謝したい。アルゼンチンを代表するまたとない機会になるだろうし、金メダルを持ち帰るために全力を尽くすよ」と高いモチベーションを見せる。

2019年の初開催地イタリア・ヴァレルンガから、第2回大会はフランス、ポール・リカールに舞台を移す
ベルギー代表はWTCR世界ツーリングカー・カップ参戦中のジル・マグナス(アウディRS3 LMS 2)に
ブラジル代表はTCRサウスアメリカで2年連続のタイトル候補だったラファエル・レイス(W2 ProGP/CUPRA León Competición TCR)
新生TC2000ではルノー・フルーエンスGTに乗る17歳の新鋭イグナシオ・モンテネグロがアルゼンチン代表を務める

■「国際競争の舞台でどう対抗できるかを楽しみにしている」と、STCCランキング3位となったアンドレアス・バックマン

 一方の欧州組からは、現在TCRドイツで妹ジェシカのためにアウディを走らせているコムトゥユー・レーシングのオペレーションにより、兄のアンドレアスがスウェーデン代表としてアウディRS3 LMS 2のステアリングを握る。

「また海外でレースをするのを楽しみにしているし、前回のTCRドイツ・ラウンドでチームとは顔見知りになっているんだ。レースに向けてしっかりとしたコンディションが整っていると思うし、僕の目標はいつだって勝つこと。FIAモータースポーツ・ゲームスは厳しい競技レベルになると思うが、僕自身が国際競争の舞台でどう対抗できるかを楽しみにしている」と、今季はSTCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権でランキング3位を記録したアンドレアス。

 そのコムトゥユーオペレートの同僚には、オランダ代表として初開催時に総合2位を獲得したコロネルのエントリーも確定。そしてコロネルと同じくTCRヨーロッパに参戦し、今季はベルギーのスパ・フランコルシャンで史上最年少ウイナーにも輝いた、ティーンエイジャーのイシドロ・カエハス(クプラ・レオン・コンペティションTCR)もスペイン代表としてエントリーを表明。さらにシリーズ後半戦で優勝戦線に絡み続けるジャック・ヤング(FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR)もアイルランド代表に選出されている。

 そのほか、今季TCR UKに参戦中の元BTCCイギリス・ツーリングカー選手権レギュラーのクリス・スマイリー(FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR)も、所属先であるリスタート・レーシングとともに“チームUK”としての参戦をアナウンスした。

「こうしてチームUKに招待され、2022年のFIAモータースポーツ・ゲームスに参加できることを光栄に思う。他国のドライバーやチームと、どのように対決するか本当に興味深い挑戦だし、僕にとってもポールリカールは初体験になる。サーキットにマシンがどのように反応するか、できる限り多くのことを学びたいと思っているよ」

「このチームUKで戦うこと、そして主要なスポーツイベントで国を代表する責任を負うことを本当に楽しみにしている」

 さらにカナダ代表はトラヴィス・ヒル(TWOthオートスポーツ・チーム/アウディRS3 LMS)、香港代表としてTCRアジア初代王者のアンディ・ヤン(ALMモータースポーツ/FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR)、ノルウェー代表にはディドリク・エスビュグ(FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR)の参戦も確定している。

今季はSTCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権でランキング3位を記録したアンドレアス・バックマン(アウディRS3 LMS 2)はスウェーデン代表
Volcano MotorsportからTCRヨーロッパに参戦のイシドロ・カエハス(CUPRA León Competición TCR)もスペイン代表としてエントリー
今季はマイク&ミシェルのハルダー兄妹とチームを組んだジャック・ヤング(FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR)もアイルランド代表に選出
元BTCCイギリス・ツーリングカー選手権レギュラーのクリス・スマイリー(FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR)は”Team UK”からエントリーする

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