男衆の気迫激突「喧嘩だんじり」 真庭・勝山 3年ぶり町並みに熱気

激しくぶつかり合うだんじり=20日午後7時38分、真庭市勝山

 真庭市勝山地区で20日、江戸時代から伝わる「勝山喧嘩(けんか)だんじり」が行われた。新型コロナウイルスの影響で3年ぶり。復活した「おいさぁ、おいさぁ」のかけ声やだんじりの激突音が響き、歴史情緒あふれる町並みは熱気に包まれた。

 ササやちょうちんで飾った全長5メートルほど、重さ約2トンのだんじり9基が、勝山町並み保存地区など4カ所の「喧嘩場」を移動しながら2基ずつ対決。絶え間なく鳴らされるかねや太鼓の音が響く中、だんじり同士の「ドスン」という鈍い音が地面を揺らし、見物客を沸かせた。

 操る男衆は気迫のこもった押し合いをしながらも、時折笑顔を見せたり、対戦相手と握手を交わしたりしていた。久々の開催に、会社員(41)=同市=は「勝山の秋といえば喧嘩だんじり。ぶつかり合った時の地響きや風圧が懐かしく、やっとにぎわいが帰ってきた気がする」と笑顔だった。

 感染拡大防止のため、2020、21年は中止。コロナ禍が続く中、勝山喧嘩だんじり保存会は今年、事前告知を控えて観覧席も設けず、参加者に抗原検査を義務付けるなどの対策を取り、19、20日の2日間開催した。

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