イソッタ・フラスキーニ、2023年の参戦を目指す新型ル・マン・ハイパーカーを突如発表

 イタリアのクラシックカー・メーカー、イソッタ・フラスキーニは10月21日、2023年に100周年大会を迎えるル・マン24時間レースへの参戦を予定している、ル・マン・ハイパーカー(LMH)のイメージ画像を発表した。

 1900年に創業、初期のレーシングカーや高級車の製造で有名なミラノを拠点とする同社は、2023年4月下旬にスパ・フランコルシャンで行われるWEC世界耐久選手権第3戦からの参戦を目指しており、2月には実車を発表する予定だという。

 ハイブリッドシステムを搭載、4輪駆動となるプロトタイプカーは、3リッターV6ターボエンジンを積むことになる。タイヤは、フロントにミシュランの12.5インチ幅、リヤに14インチ幅を使用する。

 マシンは、英国のウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリング社のエアロダイナミクス設備を利用して開発され、フェラーリのスポーツカー/レーシングモデルの組み立てで知られるイタリア・パドヴァのミケロットで製造される予定だ。

 現在ミケロットは、レース用のフェラーリ488シリーズの製造パートナーを務めているが、来季デビュー予定のフェラーリ296 GT3では、その役割をフランスのオレカ社に移管することになっている。

 イソッタ・フラスキーニはこのLMHのロードゴーイングバージョンの発売を計画しており、同社は「レーシングハイパーカーから、サーキット走行用のカスタマーカーとナンバープレート付きバージョンが派生する予定だ」と述べている。

 ル・マンへの参戦は、イベントの選考委員会による承認が条件となる。実現すれば、イソッタ・フラスキーニは、トヨタ、フェラーリ、プジョー、キャデラック、ポルシェといった自動車業界の巨人たちと、総合優勝を争うことになる。

「国際舞台への復帰戦として、これほど困難な挑戦はないが、我々はこの戦いに尻込みすることはない」とイソッタ・フラスキーニは述べている。

 イソッタ・フラスキーニは、20世紀初頭のモーターレースの常連であり、1907年にはコッパ・フローリオで優勝している。現在の同社は、船舶用や産業用のエンジンや発電機を製造している。

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