転落事故受け「柵」腐食ないか確認 佐世保市、全市道1800キロ緊急点検

事業者(左)に調査方法を説明する佐世保市職員(中央)=佐世保市

 長崎県佐世保市の市道に設置していたガードパイプ(転落防止柵)が破損し、近くの80代男性が転落して重傷を負った事故を受け、市は21日、ガードパイプなどの緊急一斉点検を始めた。約1カ月かけて、全市道約4千路線(約1800キロ)で実施する。
 転落事故は今月9日に発生。佐世保署などによると、男性は同市天神2丁目の市道から約2メートル下の民家の敷地に転落。頭など複数カ所を骨折し、一時意識不明になった。設置していたガードパイプは、支柱とパイプの接続部分がさびて腐食し、3本のうち上の2本が外れていた。
 20日に市職員が点検を委託する13事業者・約40人に調査方法を説明。椎木町の市総合グラウンド付近を歩きながら、ガードパイプを揺らし、さび具合や傾きなどを確認した。
 ガードパイプなどの点検はこれまで、走行中の車内から目視で実施していた。市道路維持課の山口博行課長は「目視では不十分だった。点検で全体を把握し、危険箇所は補修する」と説明した。
 点検では、緊急に補修が必要なら「×」、緊急性はないがいずれ補修が必要なら「△」などに分けて判定。スプレーで路面に印を付け、「×」の場合は危険を知らせるテープを巻き付ける。

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