◆慶応5―3常磐大高
四回裏1死一塁。カウント2ボールから、インコースへのストレートを迷いなく振り抜いた。手応えを残した打球はライナーで左翼ポール際に。打った瞬間に分かる勝ち越し2ラン。描いたアーチの完璧さが、慶応優位の流れを決定づけた。
伏線は直前の守り。2死二塁で強い三ゴロが清原の前に。正面だったが「前に出ると(バウンドが)合わないと思った」。一歩下がって捕球しようとしたところで打球は高くイレギュラーし、同点とされた。
記録はヒット。だが「正直、やっちゃったと思った。小宅が一生懸命、投げていたのに」と清原。次の打席で燃えないはずがない。
ただ、そこでいたずらに力まないのも天性のスラッガーならではか。「エラーを取り返そうと意識し過ぎると結果は出ない。センター返しを心掛けた」。そして「第1打席で内角を攻められた。また来ると思って張っていた」。ボールカウントは関係ない。狙い通りの球を一瞬で仕留めた。