孔子の遺徳たたえ「釈菜」 備前・旧閑谷学校 供え物や漢詩

孔子像の前で厳かに漢詩を読み上げる祭官

 儒学の祖・孔子の遺徳をたたえる伝統の儀式「釈菜(せきさい)」が22日、備前市閑谷の国特別史跡・旧閑谷学校で、古式にのっとって執り行われた。

 特別史跡旧閑谷学校顕彰保存会の主催で、関係者ら約80人が参列。孔子像を祭る聖廟(せいびょう)であった「大成殿の儀」では、旧閑谷学校の流れをくむ和気閑谷高(和気町尺所)の教職員ら12人が祭官を務めた。吉備楽の音色が響く中、鶏肉やクリといった供え物をささげ、孔子をたたえる漢詩を朗々と読み上げた。

 国宝の講堂では、森熊男・岡山大名誉教授が論語を説く「講堂の儀」などがあった。

 初めて参加した備前緑陽高3年男子(17)は「祭官の一つ一つの所作を含めて、想像以上の厳かな雰囲気に驚いた」と話していた。

 釈菜は江戸時代の1686年に始まり、明治初期に一時途絶えたが、1915年に復活した。

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