石敢當はないが、ユタはいる 南米に残る沖縄文化のフシギ 県系人、世界のウチナーンチュ大会前にトークイベント

 ペルー、ボリビア、アルゼンチンの各国に生まれ、沖縄に移住した県系人らによるトークイベント「国を超えたウチナーンチュ魂」が22日、沖縄県那覇市の平和通り商店街元雑貨部で開かれた。第7回世界のウチナーンチュ大会を前に、各国に残る沖縄文化や移民の歴史などを語り合った。
 各国に残る沖縄文化に関する話題では、3カ国とも石敢當は「見たことがない」、ユタは「いる」と回答。沖縄ボリビア協会の伊佐仁会長は「ボリビアの学校にも『方言札』があった」と証言し、参加者を驚かせた。
 戦時中は敵性国民として迫害を受けながらも、地上戦で壊滅的な被害を受けた沖縄を援助した歴史も紹介した。
 アルゼンチン出身の金城デリアさん(70)は「アルゼンチンに生まれたのにアルゼンチン人ではないと言われ、自分のアイデンティティーに悩んだ」と吐露。「今は100%アルゼンチン人ではないし、100%日本人でもないと思っている。アルゼンチンのいいところも沖縄のいいところもある。それが自分」と語った。
 ペルー出身の外間アンドレアさん(35)はペルーの踊りを披露し、会場を盛り上げた。
 イベントは写真や映像、音楽などを通し世界のウチナーンチュとマチグヮーのつながりを考える「なはーとがマチグヮーにやってくる」(主催・那覇市、平和通り商店街振興組合)の一環。11月6日まで平和通り商店街元雑貨部を会場に開かれている。
(稲福政俊)
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