ニューヨーク「波乱万丈とは真逆で、なんの事件も起きない本です」

お笑いコンビ・ニューヨーク(屋敷裕政・嶋佐和也)が22日、東京・福家書店新宿サブナード店で『今更のはじめまして』(ワニブックス)発売記念イベントを開催した。今作はニューヨークの2人が出会う前の学生時代、NSCで出会いコンビ結成後の芸人生活など、それぞれの視点で自身の人生を振り返った一冊となっている。

執筆で苦労したことを聞かれた嶋佐は「インタビュー形式で話しを聞いてもらって、それを文章にしてくださったんですけど、あまりにも面白くなさすぎてヤバかったです。しっかりいろんなことを思い出して8~9割くらい書き直しました」と明かした。新型コロナウイルスにかかった前日にもインタビューがあったそうで、「頭が回っていなくて、横になって目をつぶりながらインタビューを受けました。それが返ってきたら、ぜんぜん面白くなくて、後で聞いたらなにを言っているかわかりませんでした」と振り返った。屋敷は「オレはインタビューで喋って文章にしてもらったのを確認しましたけど、曖昧だった感情に言葉を付ける作業はしましたけど、書き足すとかはなかったです」と話した。

インタビューは別々に行われたため、お互いがなにを書いたのかわからないまま発売されたそうで、屋敷の部分の感想を聞かれた嶋佐は「びっくりしました。芸人になってからのことは、ほぼほぼしゃべっていること一緒でした。逆に面白かったです」とコメント。屋敷は「嶋佐のところは、まだ読んでません。『バトル・ロワイアル』に今ハマっていて、そっちを読み返しているので。読むの恥ずかしくて、自分の出ている番組を見る以上の恥ずかしさがあるんですよ。でもエゴサーチすると、どうやら同じことを書いているらしいですよ」と話した。

芸人仲間も読んでいるそうで。嶋佐は「見取り図さん、バイク川崎バイクさんも読んでくださいました。あとはゆにばーすの・川瀬名人も読んでくれたんですけど「めっちゃおもんなかった」と言われましたよ。見取り図さんには「よかったって言われたんですけどね」と話した。屋敷は「ニューヨークの人生は、波乱万丈とは真逆で、普通の人間が芸人になっていくさまをフランス映画のように書いた本なんで。ハリウッド映画みたいなものが好きな人からすれば『なんじゃこら』となると思います。芸人さんが書いた自伝の中で、一番事件は起きていない本だと思います」と語った。

最後に屋敷は「なぜか赤裸々に語ってしまった本で、読まれるのは恥ずかしいんですけど、自分には何もないと思っている人に読んでもらいたいです。もしかしたら勇気を与えられるかもしれないと思いました」とアピールした。嶋佐は「僕の人生を書いた本ですが、とんでもない早さで読み終えます。漫画本くらいの間隔ですね。数多ある自伝本の中で爽やかな、平和な、事件の起きない本なんですけど、それが逆に今までに無かったんじゃないかと思います。ぜひ手に取ってほしいです」と呼びかけた。

© 株式会社ジェイプレス社