劇団四季 ディズニーミュージカル『美女と野獣』舞浜公演 開幕 愛の物語が始まる。

東京ディズニーリゾート内に位置する舞浜アンフィシアターにて、10月23日に開幕を迎えるミュージカル『美女と野獣』。本作はディズニーが演劇ビジネスに初進出した作品で、1994年ブロードウェイにて初演。
一足先にプレビュー公演が行われた。
JR舞浜駅下車、そこから舞浜アンフィシアターに行くには徒歩10分ぐらいだが、劇場に行くのにイクスピアリ内を通るので、気分が自然とアップ。およそ140ほどのショップやレストランがあるので、開演前に軽く食事も取れる。
舞浜アンフィシアターは半円形のオープンステージ、よってここにプロセニアムを建てて『美女と野獣』の世界を作っている。オープンステージなので開演前は舞台上にセット、そして映像で赤い薔薇の花一輪、スマホで撮影可能(場内アナウンスがあるまで)。始まる前からとにかく気分はディズニー。
初演時の演出も大きな話題になったが、あれから長い時を経て、様々な面で「Up to date」、まず、セット、これが明るく、軽やかで、カラフル、絵本のようなファンタジック感満載、始まった瞬間から、観客席はワクワクした空気に満ち溢れる。腰の曲がった魔女があっという間に美人魔女に、そして王子が瞬く間に野獣にされる、何度か観ていても、ここはつい「おお〜」と思ってしまう。よく知ってるミュージカルナンバー、元気で本が大好きなベル、衣装も一新。お父さんのモーリス、発明家、ユーモラスだが、優しさに満ち溢れている。

そして、勘違い男・ガストンに彼の周りをウロチョロするルフウ、ガストンの取り巻きの女性たち、アニメーション映画でもおなじみなキャラクターが賑やかに登場。初演時よりもスピーディーな印象。セットの転換が滑らかで、物語がトントンとテンポ良く進行していく。自分に絶望している野獣、今、自分が置かれている状況に苛立ち、癇癪を起こす。だが、細かい仕草などで性根は優しいのだということがそこはかとなくわかる。お城の愉快なキャラクター、ルミエール、ミセス・ポット、コッグスワース、マダム・ブーシュ、彼らの笑えるやりとり。わかっているのについつい笑ってしまう。そんなお城に父親を追ってやってきたベル、身代わりにお城に囚われることとなり…というのが大体の流れ。
分かりきっている物語に登場人物、また、劇場の仕様のせいだろうか、没入感もあり、物語の世界にグッと引き込まれていく。我慢しきれずに怒鳴る野獣にズバズバはっきりものを言うベル。彼らの周りで一喜一憂するルミエールたち。上演時間が短くなったせいなのか、全体としてグッと凝縮された印象。野獣は自分の外見が醜いことに負い目を感じ、自分の気持ちをストレートに出せない。一方のベルは聡明な女性だが、気の強い性格、不器用な二人の恋の行方はイマドキな言い方で言えば「ムズキュン」。また、おなじみのシーン、マグカップを打ち鳴らして踊るシーンや、食器や家具達が歌い踊る「ビー・アワ・ゲスト」は初演を踏襲、なじみの場面はストレートに懐かしさと「これはお約束!」な気分に。

また、ガストン、典型的なヒール役であるが、自分の本懐を遂げるのはどんな手段も厭わない。理知的とは言い難いが、しっかり「計算」、野獣を倒すために人々を煽る。しかもベルの野獣への想いを察知、野獣さえいなくなれば、ベルは自分のものになる、だから人々を味方につけようとする、なかなか狡猾、卑怯だったりするが、彼は自分の欲望に忠実、その欲望を満たしたい、ある意味素直なキャラクター。
また、ベルには新曲「A Change in Me」も追加されている。2幕でベルが父・モーリスと無事に再会、だが、ここでベルは自分の中で何かが変わったと感じる、その心情を歌い上げるナンバーであるが、これが加わったことで、ベルの心情と考え方の変化がより良く観客にわかるように。登場時は本の世界に没入し、夢の世界に憧れていたが、野獣と出会い、城の面々と交流し、今の世界も素敵なのだ、と気がつき、野獣への愛も自覚する。そして急いで野獣のところに戻り、感動のラストシーンへと連なっていく。
新曲、衣装の変更だけでなく、セットや演出もだいぶ変わり、また劇場の仕様も相まってフレッシュ、この演出版は世界で初めて上海でのプロダクションで公演されているとのことだが、そこに舞浜アンフィシアターに合わせた調整が施され、世界で2番目の新バージョン、新鮮な景色に。また、ファンならちょっと笑える小ネタも。冒頭にベルが本を読みながら登場、何を読んでいるかを聞かれ、その本は『ノートルダムの鐘』だったり。そしてベルはその本を返しに行くとある本をもらう。それは魔法にかかった王子の話、ここもちょっとクスリと笑えるところ。そしてベルが野獣に読み聞かせする本はアーサー王の物語、50年以上前になるが、ディズニー映画『王様の剣』、これは「アーサー王」の物語を書いた、イギリスの作家、T・H・ホワイトの小説「永遠の王」の第1部「石に刺さった剣」が原作。キャスト陣のクオリティの高さ、無期限ロングラン、東京ディズニーリゾートと丸ごと楽しみたい公演。

コメント
ベル役 五所 真理子(ごしょ まりこ)
長年多くの方々に愛され、今回新たな息吹が吹き込まれた『美女と野獣』に、ベル役として関わることができ、大変光栄に感じています。日本初演にも携わったクリエイティブスタッフの皆さんと、新たな『美女と野獣』を作り上げるべく稽古を重ねてきました。愛に溢れた作品のメッセージをお客様にお届けできるよう、1回1回の舞台を誠心誠意努めてまいります。

劇団四季 代表取締役社長 吉田 智誉樹(よしだ ちよき)
新たに舞台美術・台本・演出をリニューアルし、唯一無二のバージョンとなった『美女と野獣』。深化を遂げ、今の時代にマッチした愛の物語をお楽しみいただけることでしょう。舞浜アンフィシアターでの四季作品の上演は初めてとなりますが、上演決定時から大きな反響をいただいており、改めてこの舞浜の地で上演する意義を感じています。劇場でぜひ、生きる喜び、明日への希望を感じていただけたら幸いです。

舞浜アンフィシアター運営 株式会社オリエンタルランド 代表取締役社長(兼)COO 吉田 謙次(よしだ けんじ)
長きにわたり多くの皆さまから愛されているディズニーミュージカル『美女と野獣』が、弊社の運営する舞浜アンフィシアターにて無事開幕されることとなり、大変嬉しく思っています。また同時に、新たな愛の物語の上演をとても楽しみにしております。東京ディズニーリゾートで、途切れることなく続く「美女と野獣」の夢のような体験を、ぜひお楽しみください。

<稽古の様子>

ディズニーミュージカル『美女と野獣』・東京ディズニーリゾート® セットプラン
『美女と野獣』舞浜公演では、東京ディズニーリゾート®とセットで楽しめるプランを販売。
・『美女と野獣』公演チケットと東京ディズニーリゾート®のパークチケットのセット
昼公演観劇後に、東京ディズニーランド®または東京ディズニーシー®へ入園できるセットチケット
・ホテル宿泊/公演チケットセットプラン
ディズニーアンバサダー®ホテルの宿泊と『美女と野獣』観劇チケットがセットになったプラン
詳細はこちら≫ https://www.shiki.jp/applause/bb/special/set_plan/

公演概要
日程・会場: 10月23日(日) 開幕 ~ ロングラン公演 舞浜アンフィシアター
劇団四季公式サイト:https://www.shiki.jp/

ⒸDisney

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